本当にお暑うございます。片岡愛之助です。
お稽古場の中も外も、熱気ムンムン、みなさん頑張ってはります(大阪弁です 笑)。
よく、「主役ですごいですね」とか、「座頭公演、頑張ってください」と声をかけていただくのですが、出演させていただくわたくしの立場としましては、主役とか座頭とかは関係がございません。
お芝居はみなさんと一緒に創っていくものなので、自分が座頭だから、主役だからということではなく、ひとつの芝居のいち役柄として、他の役者さんとの掛け合いや調和も含めて、良い作品を創りあげていきたいな、ということを常に念頭に置いて芝居をさせていただいております。
チームワークが生まれないと良いお芝居にはなりませんから、やっぱり共演者やスタッフさんたちとのハーモニーは、本当に大事ですね。
映像の仕事でも舞台でも、わたくしが毎回つくづく感じ入ることは、関わっているスタッフさんや裏方さんたちの人数の多さです。本当に多くの人たちに支えられてお仕事させていただいているんだなぁということを、痛感させられます。
よく業界用語で「テッペンを回った」という言い方をするのですが、深夜0時を過ぎても、まだ収録が終わらない。深夜2時ごろにようやく終わっても、翌日のスケジュールは延期がない。そのままほとんど寝ずに朝7時入り、なんてこともあるのですが、そういうときはもちろんスタッフさんたちも同じなわけです。
だから、スタジオ入りするときや、クランクアップをしたときなどは、自然と頭が下がります。
「自分のために残って仕事をしてくれて、本当にありがとうございます」という感謝の意も込めて、その場にいらっしゃるなるべく多くの方たちに、直接お声をかけさせていただいて、その場を離れるようにしているつもりです。
帰るとき、たまたまその場に居合わせることができなかったみなさんは、ほんとゴメンなさい、です。
そんな思いのあふれるスタッフさんや共演者の方々に囲まれて、今もお稽古をしております。
この8月1日から東京・新橋演舞場ではじまる『もとの黙阿弥』は、わたくしの初めての東京での座頭公演になります。
わたくしの初めての東京での座頭公演です! 新橋演舞場『もとの黙阿弥』(C)松竹
脚本は、井上ひさし先生。井上先生が大劇場のために書き下ろした作品で、わたくしの叔父で人間国宝にもなりました片岡仁左衛門も演じました、松嶋屋にゆかりのある作品に出演させていただけるのは、とても光栄なことです。
芝居は、2組のカップルが“入れ替え”で展開していくドタバタコメディなのですが、これが井上先生の作品ですから、細かなキャストまできちんと描かれている。
老若男女、どなたがご覧になっても共感と笑いが生まれる、夏休みの上演にふさわしい傑作だと自負して、勤めさせていただいております。
演出の栗山民也先生とは、昨年夏の『炎立つ』に続き、2年連続でのお仕事。栗山先生を中心に、早乙女太一さん、貫地谷しほりさん、真飛聖さん、浜中文一さん、波乃久里子さんら、しっかりと脇を固めていただいて、現場の雰囲気も最高潮。最高のお芝居をご覧いただけると思います。
9月には、大阪松竹座でも上演致します。どうぞ、お近くの劇場まで足をお運びください。
夏の新作ドラマもようやく出揃いました。わたくしはそのうちの2本、『刑事7人』(水曜日21時~、テレビ朝日系)と、NHKBSプレミアムのドラマ『ある日、アヒルバス』(日曜日22時~)にも出演させていただいております。
分析が得意な刑事役と、会社を再建できないダメ社長役という、対照的な役柄ですので、そのお役の違いの“落差”を面白くご覧いただけるのではないかな、なんて思います。
また、わたくしがレギュラーMCを務めさせていただいております、BS日テレ『片岡愛之助の解明! 歴史捜査』(木曜日21時~)。スタジオの外から“歴史の謎”を探り当てた連絡がわたくしの携帯電話に入ってくるときの着信音が、現在、携帯電話向け「着♪日テレ」と、スマートフォン向け「日テレマーケット」から配信されるようになりました!
“歴史の謎”の着信音で、チーフ気分を味わってみます? 『片岡愛之助の解明! 歴史捜査』(C)BS日テレ
わたくしとお揃いの着信音にして、日々の生活にプラスアルファをしてみませんか?
8月6日の放送では、新撰組・近藤勇の暗殺計画に焦点を当て、謎が解明していきます。ご期待ください。
お外の作業が多いみなさま、熱中症にはくれぐれもお気をつけください。
片岡愛之助
プロフィール
1972年3月4日生まれ。’81年12月、十三世片岡仁左衛門の部屋子となり、南座『勧進帳』の太刀持で片岡千代丸を名乗り初舞台。’92年1月、片岡秀太郎の養子となり、大阪・中座『勧進帳』の駿河次郎ほかで六代目片岡愛之助を襲名。’07年12月上方舞・楳茂都流の四代目家元を継承し、三代目楳茂都扇性(せんしょう)を襲名した。