福島県第一原発で起きた爆破事故により、多量の放射能が漏れだしている。多くの人が被爆する事態へと発展しているが、その“苛酷事故”の危険性をまとめたレポートが、4年前の時点ですでに東京電力へ提出されていたことがわかった。
今回、原発が爆発した原因は、加熱した燃料を冷却するためのシステムがストップしたため。それらが稼働しない緊急時には冷却に海水を利用するはずだったが、津波によって海水を利用するためのシステムの機能も停止してしまっていた。
‘07年7月、福島県議会の神山悦子議員(55)は東京電力の社長あてに要望書を提出している。その内容は《“チリ沖地震”級の津波が発生したら、加熱した燃料を冷却するための海水の取水ができなくなる》という、まさに今回の事故を予告するものだった。
原発の耐震安全性に対して安全点検を行うよう求めていた神山議員は、「東京電力は、私たちが申し入れても『大丈夫です』の一点張りでした」と憤りを隠さない。東京電力によって黙殺されていた“悪夢のシナリオ”を本誌で告発!