昨年の大晦日に出頭したオウム真理教元幹部・平田信容疑者(46)と17年にわたり逃走を続け、1月10日に出頭した斎藤明美容疑者(49)。『偽りの人生は終わりに』という言葉どおり、その半生は嘘で固められていた。
’95年11月、斎藤容疑者は“山口今日子”の名前を名乗り、仙台の料亭で住み込みの仲居として働く。だが、’96年2月、捜査員の尾行に気づき2人は大阪へ逃亡した。
その後、1年間を大阪市内で暮らすも、最後の潜伏先となる東大阪市に。“吉川祥子”と名を変え、出頭前まで整骨院で働いていたという。そこで彼女は、オウム真理教の話になった際、こう語っていたという。
「オウムの悪口は、めちゃくちゃ言っていましたよ。『オウムって本当に怖い。いやですよね……』って。彼女は『宗教がらみのねずみ講に引っかかって、えらい借金を背負ったこともある。男も宗教も、もうこりごりです』とも言っていました」(近所の住人)
だが、それはすべて嘘だった。自宅から一歩も出ず隠れ続ける平田容疑者のため、彼女は心に蓋をして最後まで嘘をつき続けていた。そこからは“純粋で断れない性格”という、彼女の地元の証言からは想像できない強固な決意がうかがえた。犯罪心理学に詳しい東工大の影山任佐教授はこう分析する。
「2人の恋愛感情が17年間にわたり強く維持されたのは、手配されるという同一環境、同一境遇があったから。共犯意識がお互いに自首をとどまらせ、愛を継続させていったのです。彼女は平田と違い、すぐ釈放されるでしょう。しかし、その後も愛情を貫き、外から平田容疑者を支えていくこともありうるのではないでしょうか」
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