淡いブルーのシャツにサンダル姿の山口智子(47)が出てきたのは都内のホテル。この日、10月9日から放送される連続ドラマ『ゴーイング マイ ホーム』(フジテレビ系)の制作発表がそのホテルで行われていた。
主演の阿部寛(48)や共演の宮崎あおい(26)たちと一緒に発表会に出席した山口。彼女が連続ドラマに出演するのは’96年に大ヒットした『ロング バケーション』以来の16年ぶりのことだ。彼女は、ドラマ現場に復帰した喜びを「ドラマはすごく久しぶりなので、すべて新鮮で感動的な毎日です」と語り、笑顔を見せていた。
ドラマでの山口は、阿部が扮するサラリーマンの妻で、フードスタイリストという役柄だ。久々の連続ドラマ出演を楽しんでいるように見える山口。だが、女優復帰には並々ならぬ決断があったという。今夏の女優復帰前は、彼女の生活の中心は家事や料理だった。山口は、主婦生活の中でいつも大切にしてきたことを’12年10月号の『日経ウーマン』でこう話している。
《毎日の暮らしの中からできることがある。(中略)ちょっと心に問いかけて、自分にとって心地よい答えを探す。日々の選択にきちんと向き合うことで感覚が磨かれ、人生の大きな決断も迷いなくできるようになれると思う》《迷ったら、胸の奥のほうに『どっち?』と聞いてみて、少しでもモヤモヤするほうは選びません》
山口は1年半前、女優復帰を望む声に「ドラマ、やりたいですよ。女優としての話、強く求めています」と答えていた。この言葉は、本当に心の奥底から発せられたものなのかと、彼女は自問自答。自分自身の言葉にも真摯に向き合ってきた。そして、50歳を前に下したのが”女優本格復帰”という決断だった。ドラマの撮影初日、いちばん最初に現場に入った山口の意気込みはすごかったという。
「山口さんは、すぐに冷蔵庫の位置、キッチンカウンターの高さを確認し、包丁や食器などを手にとって丹念にチェックしていましたね。撮影では、映画『かもめ食堂』などでも活躍した有名なフードスタイリストの方がアドバイスしていますが、山口さんの料理の手際のよさとできあがった料理の味にスタッフも驚いています」(番組スタッフ)
16年という『ロングバケーション』を経て、彼女は女優の道を再び歩み始める。