昨年の”事務所騒動”以来、沈黙を守り続けてきた小林幸子(59)。”紅白”出場を34年ぶりに逃した彼女だが、その心境を今回はじめて本誌に語ってくれた。
紅白から約2カ月。出場歌手に選ばれなかったことは、小林にとって『いい分岐点』になったという。
「実は、紅白でお馴染みの豪華な衣装を『いつやめるか』ずっと考えていました。言い方を変えると『続けること』と同時に『いつやめるか』も目標でした」
豪華な衣装を思いついたのは三代目市川猿之助(現二代目市川猿翁)のスーパー歌舞伎を見たことだった。豪華な衣装に目を奪われて、公演後直接楽屋を訪れ「私も同じようなパフォーマンスを舞台でやりたいので、衣装担当の方たちをご紹介いただけませんか」と直談判したそうだ。
「猿之助さんは、二つ返事で『いいですよ』と。そのあとこうおっしゃいました。『幸子さん、パフォーマンスを続けて、大きくしていくのはいいですけど、いつか”元に戻す”ことも大切ですよ。元に戻して、リセットして新しいことをやる。リセットする難しさ、大切さを常に心に持っていてくださいね』と」
それから10年あまり。猿之助の言葉を肝に銘じて、どこで戻そうか考えながらも、豪華な衣装で舞台に登場したときの「わぁー」という歓声に接すると、なかなか戻すことができなかったという。
「でも今回、紅白への出場が33回で途切れたことで踏ん切りがつきました。これからは紅白で培ったパフォーマンスを一つの財産にして、小林幸子の新しい”型と形”を追求していきたい。だからといって、豪華な衣装は『もう二度と着ません』ということではありませんから、安心してくださいね(笑)」