1月28日(火)、都内で1960年代後半に一世を風靡したTBS系テレビ番組『ウルトラセブン』と著作『ウルトラセブンが「音楽」を教えてくれた』(青山通・著)をベースに2013年11月27日に発売されたCD『ウルトラセブン・クラシック』のコラボレーションイベントが開催され、経済アナリストで評論家の森永卓郎(56)、同番組の音楽監督を務めた作曲家の冬木透(78)、同書の作者である青山通(53)が出席した。
同イベントは、『ウルトラセブン』の最終回でシューマンのピアノ協奏曲(カラヤン指揮、リパッティ独奏)が起用された経緯を含め、同番組が現代日本に与えた影響力を会場に訪れた約50人のファンとともに考察していくというもの。森永は「ウルトラセブンは別格。フォルムが抜群に美しく、環境問題や人間のドロドロした部分なども描かれていて子供向け作品の領域を越えています」と作品の魅力を熱く語った。
その後、冬木と青山が登場。冬木は、シューマンの曲を使用した経緯について「(最終回の)モロボシ・ダンの告白シーンのショックを表現できる曲が自分のリストになかったのでシューマンを使いました。」と知られざる音楽制作秘話を披露。つづけて「作曲に関してはすべてに苦労しました。シューマンに決める際も、演奏や指揮者にこだわりました」と当時を振り返り、「どんな音でどういう風に動かすかを意識して作っています。私はベートーベンではないので無意識に頭に浮かんで書くことはないです」と普段の作曲スタイルを明かすと、会場からは「え~意外!」という声が上がった。
また、小学生のときにリアルタイムで『ウルトラセブン』を観ていたという青山は、「当時から深い大人の世界を感じていた。最終回の音楽が忘れられず調べていくうちにクラシックは指揮者によって同じ曲でも全く別物になることを知りました」と同書の執筆にいたったきっかけを告白。その後もトークはつづき、まるでファンミーティングのようだった今回のイベントは、「ウルトラセブンは永遠です」という冬木の重みのある一言で大盛況に終わった。
(撮影/中原希実子)