この春、ドラマを盛り上げているのがインパクトのある脇役たちだ。そこで本誌は佳境に入ったドラマの脇役にインタビュー。その魅力に迫った。
悪は悪でも、「迫力がすごい!殺し屋の新谷が怖すぎる!」(35歳主婦)と評判なのが、『MOZU season1〜百舌の叫ぶ夜〜』(TBS系・木曜21時〜)で女装した殺し屋「百舌」新谷宏美と、兄・和彦の2役を演じる池松壮亮(23)。映画を中心に活躍する若手実力派俳優だ。
「連続ドラマにあまり出ていなかったので『誰だコイツ?』と顔の割れてない僕が、新谷役を今やる意味があるなと思いました。『新谷が怖い』と言われてうれしいです。でも想像以上に撮影は大変でした」(池松・以下同)
池松は、爆発、拷問、崖から転落、女装、生死をかけての格闘と、体を張り臨んだ。撮影後ひと月以上たつが、膝が痛くて今も膝立ちできないとつぶやく。
「西島(秀俊)さんとは、現場でも2回ほどしか会わなかったです。元々格闘技をやっていた香川(照之)さんが、『撮影というのは痛いんだ。痛みを伴わないと、到達したいところまでは行けない』と、アクションへの気持ちを後押ししてくれました」
そんな、香川との対決シーンもこれからの見どころだ。
「手加減なしでやっています。互いにやりきった感の信頼が芽生えた気がします。ドラマも一気に話が展開します」
北九州のロケの合間に、博多の実家に戻ることもあった池松。
「やはり家に帰るとホッとできました。ふだんは母に仕事のことを聞かれても、『フツー』としか言わないんです。でも、『現場で“虐待”や“拷問”されてる。とんでもね〜』と、自分から話したら、『今日はよう喋るね〜珍しいね〜』と、母に言われました」