隔週連載《中山秀征の会いたい人》。今回は、’06年にデビューし瞬く間に国民的グループとなり、’13年に解散したファンキーモンキーベイビーズのリーダーだった、ファンキー加藤さん(35)。解散から1年少々、今の思いを語ってくれた。
中山「ソロになってからの1年と少しを振り返るとどうですか?」
加藤「10年分くらいのいろんな感情をギュッと詰め込んだような感じがして、生涯忘れることのない1年だと思います。いろいろ苦しかったけど、今は、ファンモン解散後に、まさかこんなに楽しい日々が待っているとは思わなかったってくらい充実してますね」
中山「この1年はあっという間でした?」
加藤「うーん、短いといえばめっちゃ短いし、長いと思えばものすごく長い。ただ、うれしいことがあって、モン吉とケミカルとファンモンを始める前の関係性に戻れたんですよね。八王子のただの友達に。今も普通に連絡をとるし、モンちゃんはこの間ライブを見に来てくれました」
中山「気持よくまた友達に戻れたんだ」
加藤「はい。この10年間は、僕らにとっては学びやみたいなものかもしれないですね。そこからそれぞれがそれぞれの道へ旅立っていったけど、モン吉とケミカルとは今も同じ空の下でちゃんとつながっているという」
中山「ファンモンの解散は終わりじゃなくて、それぞれの新たな始まりなんですよね。ファンキーさんはソロになって、ここから先の目標って作っていますか?」
加藤「人からは笑われるかもしれないんですけど、僕ね、東京ドームにまた立ちたいんです。実は、解散ライブのときには、お客さんと僕たちには温度差があったんですよね。自分たちは寂しさはあるけど、目標だった東京ドームでゴールテープを切れた喜びや充実感や安堵感があったんです。だけどファンのみんなからすればやっぱり悲しみの成分が多いわけで。それまで『泣いてもいい。その代わり明日から頑張ろうぜ。希望がある』って応援してきたのに、最後の最後で始めてみんなに拭いきれない涙を流させちゃった。だから、僕は涙色に染まった東京ドームを笑顔の思い出に塗り替えるために、もう1度あの大きなステージを目がけて走っていきたいんです」