「うちは家族でヒデさんの大ファンで、何かといったら『ヒデさん、ヒデさん』。いや、ごめんなさい、『ヒデちゃん、ヒデちゃん』って言っていて」
そう語るのは、隔週連載『中山秀征の語り合いたい人』第32回のゲスト、シンガー・ソングライターの森山直太朗(38)。後世に歌い継がれるであろう『さくら(独唱)』をはじめ、数々の名曲を生み出す。そんな彼の魅力に迫る2人のぶっちゃけトーク、スタートです。
中山「直太朗くんには『ウチくる!?』(フジテレビ系)にも出ていただいてますけど、アーティストでありながらバラエティに対する順応性がものすごいですよね。それもバラエティのノリに合わせているというんじゃなくて、これを資質というのか実に自然で。歌の現場では当然歌の世界の人になるし、ジャンルを問わないですよね」
森山「いやいやめっそうもないです。ジャンルを問わないというよりも、ジャンルをわかっていないというか。こんなことをこの場で聞くのは個人的には恥ずかしいんですけど、あの、僕、大丈夫ですかね?」
中山「アハハハハハ。全然大丈夫ですよ!!」
森山「そうであればよかった(笑)。楽しむほうを優先しちゃうタイプなので、本職でされている方々に失礼をしているかも、と」
中山「アハハ。とんでもない。それこそお母さんがいて、かまやつひろしさんが親戚だったり、という環境で育っているから、あんなふうに気負いなくいられるということもあるんでしょうね」
森山「いろいろな方が日常的に出入りする家庭だったので、目上の方にも物おじしなさすぎるらしくて……。同じ年で仲のよい、氣志團の綾乃小路(翔)くんから『森山家ではありかもしれないけどあれはギリギリだぞ!』『あんまりヒヤヒヤさせんな!』などと言われながら、上下関係や礼儀作法を教わっています」
中山「同じ年の友達に(笑)。お母さんの教育というか子育てスタイルは、基本的には放任だったと聞きましたけど」
森山「そうですね。子どもの僕が『大丈夫かな?』と思うくらいに放任主義で(笑)。“私はやりたいようにやらせてもらって幸せだから、あなたもやりたいことがあったらやって”という感じでした」
中山「親というのは通常、僕も含め、『それは現実的には難しいよ』とか『大変な世界だから』とか子どもに意見をしたり、決めつけてしまいがちなものなんですけどね」
森山「親にそういうことを言われず、なんでも自分で判断、決断していくので僕はすべてのことが遅かったんですよ。そのうえ石橋をものすごくたたいて渡るタイプというか、優柔不断ということもあるのか、デビューしたのも26〜27歳とかなり遅めでした」
中山「“放任”お母さんはどんな反応を?」
森山「口では言われてはいませんが、内心『やっぱりこの道に来たわね。ほらみたことか』と思っていたと思います。地元で歌っていたらマルショー(丸正食品チェーン)に買い物へ行くのをカムフラージュに母が覗きにきたこともありました。罰ゲームかってくらい恥ずかしかったですけど(笑)」