’76年の放送開始以来、40年目に突入した『徹子の部屋』(テレビ朝日系・月〜金・12時〜)。唯一無二の長寿番組の節目に、黒柳徹子さんが思い出深いゲストとのエピソードを披露。昭和の大スターの素顔をとことん語り尽くしてくれました。
【森繁久彌(享年96)】
「森繁さんと初めてお会いしたとき、『1回どう?』っておっしゃったの。学校を出たばかりで『1回』というのがなんだかわからなかったのですが、キスのことではありませんでした(笑)。
最後に会ったときは大きい自動車に乗っていらして引きずり込まれて『1回どう?』っておっしゃったので『そのうちね、じゃあね』と。それが最後になりました。森繁さんには芝居のことをいろいろ教えていただきました。
戦争が終わって満州から引き揚げてきて俳優になられたのですが、戦争の話は一度もなさったことはありません。地獄だったんでしょうね……そんなことが思い出されます」
【高倉健(享年83)】
「『徹子の部屋』では『女の人を追っかけて九州から東京に出てきて俳優になった。俳優はいちばんなりたくない職業だったので涙が出ましたが、お金が必要だったので』という意外なエピソードを披露してくださいました。
そしてお金が必要な理由を伺ったら、1分くらい間を空けて『やっぱり幸せの追求じゃないですか』と。『おー、高倉健さん』って思うようなお答えでした。
収録後、アメリカのミュージカル『キャメロット』のビデオをお送りしたら、きれいな便箋に『先日は楽しかったです』と、すぐにお礼状が届きました。素敵な個性を持った方でしたね」
【森光子(享年92)】
「森さんは今でも、いつも会いたいと思っている人です。とても優しくて、かわいがっていただきました。私が1年間、アメリカに行っていたときには『お小遣いに困っていませんか?』とお手紙をいただきました。
また、『徹子ちゃん、子どもを産んで。私が育ててあげるから』とよく言われました。森さんは永久に元気だと思っていましたし、お亡くなりになるなんて考えられませんでしたね」