本誌が元タカラジェンヌの寿ひずる(60)を目撃したのは、坂東三津五郎さん(享年59)の葬儀から数日後の3月上旬。取材を申し込むと戸惑った様子だったが、言葉を選びながら丁寧に答えてくれた。

「今回の件については、どなたにもお話しつもりはございませんが……。そうですね、(密葬や葬儀に出席しなかったのは)遺された子供たちの母として、自宅で静かに冥福を祈りたいと考えたのです」

 三津五郎さんとの間に3児をもうけた寿は、’97年3月に離婚し、現在は都内の自宅で独り暮らしをしている。彼女は逝去直前の2月17日、三津五郎さんと病室で久々の再会を果たしている。会社員男性との結婚が決まっていた次女・幸奈さん(29)がウエディングドレス姿で新郎と一緒に病室を訪れ、その場に寿も同席したのだ。

「(病室での結婚報告は)次女と私の2人で決めました。三津五郎さんや家族で写真を撮影したのは、光寿(巳之助)が会見で言ったとおりです」
 
再会当日の朝、三津五郎さんの容体は急変していた。病室ではどのような会話をしたのだろうか?

「ごくふつうのものですよ。ベッドから起き上がった三津五郎さんは、次女と新郎に『おめでとう』と。私からは(三津五郎さんに)『まだまだ頑張ってくださいよ』と申し上げたのですが……」

――離婚からすでに18年ですが、再婚をお考えにはならないのですか?

「再婚はまったく考えていません。自分の幸せのことは、もういいです。これまでもずっと子供たちの幸せしか考えてこなかったもので……」

三津五郎さんの分まで、私があの子たちを守る――。歩み去る寿の背中にはそんな決意があふれていた。

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