《1歳9日という短い命ではありましたが 生前の御厚誼を深謝し謹んで御通知申し上げます》
4月24日にオダギリジョー(39)と香椎由宇(28)の連名で送られたFAX。そこには、昨年4月に産まれたばかりの次男(1)が亡くなるという悲劇が綴られていた。初めての誕生日から3日後の4月14日、次男は「絞扼性イレウス」との診断を受け緊急手術。治療を続けていたが、20日に容体が悪化。そのまま帰らぬ人となったという。
夫婦を苦悶の底に叩き落したこの「絞扼性イレウス」とは、腸閉塞の一種。腸が何らかの原因でねじれて締め付けられ、血流が遮断される状態のこと。結果として組織が壊死してしまい、急激な腹痛を伴う。かつては、腸捻転とも言われていた。天王寺記念クリニックの中島秋彦医師は、この病気における“乳幼児特有の盲点”をこう語る。
「症状としては激しい腹痛や嘔吐などが挙げられます。それは大人でも悶絶してしまうほどの激痛です。しかし乳幼児は痛みを訴えることができないため、見落としがちなんです。便がずっと出ない、もしくは血便が出るなどの場合は疑う必要があります。また、ずっと泣いている場合も注意したほうがよいでしょう」
また急激に発症するにも関わらず、生死を分ける分岐点は驚くほど早い。早期に発見できれば助かるが、放置すれば100%死に至るというのだ。中島医師が続ける。
「この病気には“ゴールデンタイム”と呼ばれる時間帯があります。発症から血管壊死に至るまでの時間は12時間と言われており、そこまでに処置できないと急激に死亡率が上がってしまうのです。逆を言えば、それまでに処置できると生存率は高い。特に8時間以内だと、かなりの確率で助かります」
難しい病だが、乳幼児を亡くした両親は「もっと早く手術すれば……」と自責の念に駆られることも多いという。
「オダギリさんは、次男の手術には付き添っていました。しかし20日から地方でNHK主演ドラマの初日ロケが予定されていたため、断腸の思いで次男の入院5日後に現地入りしていたんです。すると翌日に容体が急変してしまいった。訃報を聞いたのはロケ先で、最期は看取れなかったそうです」(芸能関係者)