NHK朝ドラ『あさが来た』で白岡新次郎を演じている玉木宏(36)。波瑠(24)が演じるヒロイン・あさの奮闘を夫として支える献身的な姿に、“新次郎さま”ブームが起きるほどの人気ぶりだ。そんな彼が、大ヒット朝ドラの裏側を語ってくれた。
「新次郎がいまの女性に受け入れられたのは、当時では珍しかった“働く妻を支える夫”という点にあると思います。フラフラしているようで、あさに何かあればピシッと核心に触れることを言ってあげられる。遊んでいるように見えて、空気を読んでいる。打ち上げでも話したのですが、新次郎って実は“無言実行”の男。何も言わずに周りを支えている。それってすごくスマートな生き方ですよね。そんな人物像を演じるようにしていました」
ドラマの中では、若いころから晩年までを通して演じていた玉木。そのため、撮影中にはこんな知られざる苦労もあったという。
「年代に応じた雰囲気を出すため、体重をかなり増やしたんです。最初と比べると、10キロは増えていると思います。方法は運動をやめて、とにかく食べる(笑)。キャストや友達を誘って知り合いの焼き肉店によく行っていましたね。今回は世代交代するドラマなので、途中参加の人も出てきます。なので、親睦会の意味でもよく外食には出かけていました」
舞台裏でもまるで“新次郎さま”のような“無言実行”の気遣いを見せていた玉木。妻役の波瑠とも、撮影中はコミュニケーションを欠かさなかった。
「波瑠さんとは初めて共演させていただきましたが、よく『最初のころのあさと新次郎は、あのとき何を思っていたんだろうね』などと話すようにしていました。ドラマではあっという間に年をとっていくので、そときの夫婦像を理解するためにも密にコミュニケーションを取るようにしていました。実際には放送されない“裏設定”も考えていましたね」
その甲斐もあって、撮影終盤には波瑠と“阿吽の呼吸”で演じることができるようになっていたという玉木。作中では小芝風花(18)演じる娘の千代が出産し、おじいちゃんにもなった。そんな役どころが、彼自身の家族観にも影響を与えていたようだ。
「役に感化されることは、これまでもありました。家族については考えていて、焦ってはいませんが、結婚願望もあります。そして今回の役を通じて、温かい家族っていいなと思うようになりました。『子どもができたら、甘やかしちゃうだろうな』とか『親は孫の顔を早く見たいんだろうな』と考えたりもしました。実際、自分の家族ともこれまで以上に仲良くなりました。母はずっと前に父と離婚しているので、大変なこともあると思って。だから早いうちに東京へ呼んであげたかった。いまは妹も含め一緒に東京で暮らしています」
そして『あさが来た』は、4月2日にいよいよ最終回を迎える。最後に玉木は、見どころについて自信満々な様子でこう語ってくれた。
「最後は、脚本家の大森美香さん(44)が込めたメッセージを存分に感じられるものになっています。『彼女は最初からこれを描きたかったんだ』と思える内容で、これ以上のものはないと思えるほどの出来栄えです。『あさが来た』の最後にふさわしい、あさと新次郎のふたりならではの結末になっています。ぜひ楽しみにしていてください!」
11カ月間に及ぶ『あさが来た』の撮影の中で成長してきた玉木。そんな彼が太鼓判を押す最終回まであと少し。最後まで目が離せない!