片岡愛之助(44)が座頭公演『十月花形歌舞伎GOEMON石川五右衛門』初日となる10月3日に“梨園妻デビュー”を果たした藤原紀香(45)。だが彼女には、これからも苦難の道が待ち受けているという。
「ある女将さんが若いころですが、少しお茶をしていただけで『あの人はお気楽ね』と言われてしまったそうです。先輩たちは表でニコニコしていても、本当に細か~いところまで見ています。一度梨園の世界に入ったら、24時間ずっと梨園妻でいなければなりません」(歌舞伎関係者)
そうした仁義なき梨園妻の世界を切り抜けるために必要なのが“梨園妻の掟”。家によっても違うが、おおむね5つに分けられるという。ひとつは言わずもがな『後継ぎを作ること』。そして有名な『出ず入らずの嫁に徹すること』。そのほか『礼儀作法を心得ること』、『おもてなしを大切に丁寧にすること』、『お家の芸を守り続けること』が挙げられる。
「『出ず入らず』は“出しゃばらず、かといって引っ込み思案にもならない具合”を指します。3月の結婚会見では紀香さんの着物の柄が洋風だったことで批判されましたが、こうした微妙な感覚を学ぶ必要があります。『礼儀作法』は、挨拶まわりの多い梨園妻にとって最重要です。年賀状を1千枚以上毛筆で書くこともあるため、書道のたしなみは必須。着付けやお華やお茶もできて当然、できなければ批判の対象になります」(前出・歌舞伎関係者)
そして、家のしきたりを理解することも重要だ。
「『おもてなし』は梨園妻の腕の振るいどころと言われています。片岡家では正月に三種類のお雑煮を日替わりで出すなど、家独自のおもてなしを守らなければなりません。これをおろそかにしていると“ダメ妻”のレッテルが張られることになります。さらに『お家の芸を守り続ける』ため、いろんな演目を覚えなければなりません。知らないと恥をかきますから、膨大な量のDVDなどを見て台詞まで叩き込むのです」(前出・歌舞伎関係者)
そうした梨園妻として生き抜く知識は、家の女将から教え込んでもらうという。
「紀香さんも秀太郎夫人にいろいろと教わっているそうです。今回のデビューで手に結婚指輪をはめていなかったことが評価されましたが、これも夫人から“お着物は宝石いらず”という教えをいただいていたのでしょう。歌舞伎役者は結婚式以外で指輪をつけませんから」(劇場関係者)
そんなところまで見ているとは……。紀香の気が休まる時間は、当分なさそうだ。