お昼12時半からの放送にも関わらず、高視聴率を記録している『やすらぎの郷』(テレビ朝日系)。4月3日の初回の視聴率は8.7%、その後も6%以上を推移していて、同時間帯でトップを走っている。
石阪浩二(75)、浅丘ルリ子(76)、加賀まりこ(73)など豪華出演者の共演が話題となっているが、いちばんの見どころは脚本家の倉本聰さん(82)が編んだストーリー。過去の蒸し返しや芸能界とテレビ業界のタブーや風刺など、数々の爆弾がぶち込まれている。5月が終わった時点で見つけた爆弾をランキング形式で紹介しよう。
第10位:失われた名作たち
作中でたびたび出てくるテレビ局への恨み節。かつてドラマの撮影などに使われていたテープは非常に高価な上に保存が難しかったため、放送が終わると上書き録画されたり廃棄されたりすることが多かった。ある年代以前のテレビドラマはほとんどが失われたという。もちろん倉本作品も例外ではない。石坂浩二演じる脚本家の菊村栄がそれを嘆いて言う。
「我々の著作物は昭和48~49年以前のものは、全部ないんです!これは一種の、大きな犯罪です!まったく許せないテレビ界の所業です」(第40話より)
どう見ても、倉本さんの心の叫びです。
第9位:枕営業は当たり前!?
第8話で、作中ですでに死亡している女優・栗山たか子について「プロダクションから時代劇のスター俳優に貢がれた過去がある」という話になる。一同が驚いていると、浅丘ルリ子が演じる大女優・白川冴子が一言。
「今だってあるわよ」
第8位:石坂浩二の微妙な過去
「だって、テレビでなんとか鑑定教室でゲストに出てらしたでしょ」
「いや、あれは知ったかぶりしてただけですから」(第10話より)
「水戸黄門て、本当にいた人なんですか?」(第12話より)
プロデューサーとの確執で降板したと報じられた『開運!なんでも鑑定団』。ひげがないのに違和感がある批判され、短命に終わった石坂浩二版『水戸黄門』など……。本人にとって触れられたくない微妙な過去が次々とネタにされていくのだった。
第7位:嫌煙批判
息子に喫煙を咎められると、お前よりもタバコとの付き合いが長いと無茶を言う主人公の菊村栄。第6話で菊村は健康診断を受けるが、医師はとんでもないことを言う。
「無理して止めてストレスが溜まるより、好きにやるほうが健康にいい。もっとも副流煙を嫌う人もいるが、そういう人とは付き合わなきゃいい」
「先生は名医だ!」
もちろん倉本さんは愛煙者。喫煙規制が進む現状を皮肉っている。
第6位:高倉健さんをネタに
藤竜也(75)が演じる俳優・高井秀次。実は高倉健さん(享年83)がモデルであると、倉本さんが明かしている。
死亡説が流れたことがある、寡黙すぎてコミュニケ―ションが取りづらいなどは、健さんからのエピソードだ。だが劇中の高井は絵のモデルに女優を誘っては自分のものにしてしまう好色なところがあるうえ、作中ではぎっくり腰になり紙おむつまで履かされる。老いの悲しみを象徴するキャラクターにしているのだ。