「私は再生医療はもちろん、医学のことはまったくわかりませんが、夫がずっと地道にやってきていたことは知っています。ですから、今回の成功は本当にありがたい、うれしいなと思っているんです」と本誌に歓びの声をあげたのは、小林幸子(63)。
11月23日、東京慈恵医科大の横尾隆教授らのグループが、iPS細胞を使って“尿を作る”機能を持つ腎臓の再生に成功したと発表された。英国の権威あるオンライン科学誌『ネイチャー・コミュニケーションズ』に論文が掲載され、世界的に注目される“夢の治療法”につながる業績だという。
じつは今回の研究に当初から協力してきたのが、小林の8歳年下の夫で再生医療会社社長の林明男さんなのだ。小林と結婚して6年めになる林さん。だが、2人は結婚当初に壮絶なバッシングにさらされた。
「小林さんと結婚した林さんが、芸能界のことなどまったくわからないのに、彼女の所属事務所の経費や衣裳代にまで口を出し、事務所社長を追い出そうとしたと一方的に報じられたんです。結局、所属事務所社長が退社して騒動は決着しましたが、小林さんは“恩知らず”と叩かれて……。最後には林さんについても“再生医療なんて怪しい”“小林幸子は騙されている”といったひどい報道が噴出しました」(音楽関係者)
だがレコード会社との契約も解除となり孤立無援になった小林は、それでもへこたれなかった。4年かかって紅白にも“復活”。ニコニコ動画やコミックマーケットなど、これまでの演歌歌手では考えられない分野にまで進出し、若者に“ラスボス”の愛称で親しまれるまでになったのだ。
「結婚をバッシングされた小林さんは、『本当の彼を知ってもらえないのが悔しい』とずっと憤慨していました。それだけに、今回の林さんの成功は、『ほら、見て!』という気持ちだと思いますよ」(前出・音楽関係者)
小林も誰かに祝ってほしくてうずうずしてるのでは――。本誌が直撃すると「ありがとうございます」と破顔して、現在の心境を語ってくれた。
「腎臓で苦しんでいる方々から、『光が見えました』と喜びの声が寄せられていると、夫から聞きました。本当に周りのスタッフや研究者のみなさんが頑張ってくれたおかげと、主人も喜んでいて……。林自身は医者ではありませんので、研究者の方々をまとめてずっとプロジェクトを続けてきたということです」
林さんには、結婚する前から“腎臓再生の夢”を聞かされていたと明かす。
「私は昔から猫を飼っていたのですが、猫の死因に腎不全はとても多いんです。10年ほど前だったかしら、そのことを林と話していたら、“僕は猫を治してあげたいし、ゆくゆくは人の腎臓も治せるようにしたい”と言ってくれて」
バッシング当時には、小林が私財を林さんの会社に出資させられているという報道まであったが――。
「そんなこと、まったくないんですよ。生活費から何から、私は一銭も出していません。すべて林がやってくれてます。投資してくれとか、言われたこともありません。あの人は『僕に小林幸子を背負わせてください』と言って、いまその通りになっています」
小林はそう憤った。
「これからも、歌手としてではなくて、ひとりの妻、パートナーとして未来の夢を林の陰で支えられれば、と幸せに思っています」
信じていた道は間違いではなかった――。