3月いっぱいで『あさイチ』を降板した有働由美子アナ(49)。その後、27年間勤めたNHKを退職していたことも明らかになり、日本中が驚いた。有働アナに近いNHK関係者は本誌にこう断言する。
「彼女は親しい人たちに『私は番組を辞めたくなかった……』とはっきり言っています。彼女にとっては、不本意な降板だったんです」
誰もが認めるNHKの“エース”は、なぜ“失意の降板”に追い込まれたのか――。
「局内には部署に関係なく“目立ってはいけない”という掟があります」(NHK関係者)
有働アナもこの数年、そんな局内の“嫉妬”の視線に悩まされていたという。
「彼女を異動させたがっている人たちがいるという噂は前からありました。それが具体的になったのは去年の秋だと聞いています」(別のNHK関係者)
きっかけは昨年夏、NHKから独立してフリーで活躍する先輩アナと彼女が飲みに行ったことだった。
「酒飲み話で、有働さんがその先輩の近況を聞こうと『フリーになるのってどうですか?』と聞いたんです。すると、その先輩アナが“彼女も独立を考えているんだ”と受け取ってしまって……。先輩アナは悪気なく『こないだ相談されてさ』と別の誰かに言ったんでしょう。その言葉に尾ひれがつき、NHK上層部の耳に入って『有働はいい気になってけしからん』という話になったようです」(前出・NHK関係者)
そうして始まった“有働おろし”。だが、彼女は人気芸能人から“ご指名”でインタビュアーを頼まれる人気アナウンサー。さすがに地方に飛ばすわけにはいかない。
「結局、彼女を番組から降ろすことで“見せしめ”になると考えた人がいるということでしょう」(前出・NHK関係者)
有働アナに残されていたのは、「フリー転身」の道しかなかった――。
NHKからの退職を決断したこのとき彼女の頭をよぎったのは、彼女が「公私ともに充実していた」と振り返る10年前のニューヨーク特派員時代の思い出だったかもしれない。
「有働さんはNHKで初めて、アナウンサー職のまま特派員としてニューヨークへ渡米しました。そのとき米国のジャーナリストとも仕事をして、彼らが自分で調べて報道してすべての責任を自分で引き受けることを思い知ったそうです。このときの経験が、彼女の“生涯現場主義”のもとになっています。NHKで現場にいることができないのなら、いっそ退社してもう一度、ニューヨーク時代のように自由に取材してみたい――それが退社の決断の決め手になったのでしょう」(前出・NHK関係者)
彼女は自分自身の手で、今後の人生を切り拓くことにしたのだ。
「すでに民放各局で争奪戦が起きていますが、有働さん本人は『バラエティ番組には絶対に出ない』と言っています」(スポーツ紙記者)
49歳の彼女にとっては、覚悟の船出になる。だが、その行く手にはきっと新たな大地が広がっているはずだ。