又吉直樹が芸人初の受賞で大いに沸いた’15年上半期の芥川賞。同時受賞した若き作家は聖飢魔IIのデーモン閣下風メークで受賞の報告を待っていた一風変わり者。隔週連載《中山秀征の語り合いたい人》。今回は『スクラップ・アンド・ビルド』で受賞した羽田圭介(30)の人となりを掘り下げる。
中山「作家さんの仕事ってご自宅での作業だし、オンとオフの切り替えが難しそうですが、どんな生活をされているんですか?」
羽田「8時に起きて、朝食を食べ、9時から13時くらいまでは仕事に集中できますね。ただ、午後はダレてしまうので、日によって違います。どこか都内で打ち合わせしたり、映画を見たり、筋トレしたり、自由時間にしています。夕食後の20時くらいからはまた集中して仕事。集中できなかったら、何をやっても意味がないので、朝と夜は大事にしています。僕はそんなに夜型でもないので、午前1時くらいには寝ます」
中山「規則正しい生活をされているんですね。自炊もするんですか?」
羽田「業務用スーパーで肉や野菜を大量に買い込み、毎日食べています。鶏ハムは4キロ分まとめて作り、にんじんと玉ねぎをカットしてタッパーに入れて、酢をかけて、冷蔵庫で保存。食事のときは鶏ハムを切って、野菜にドレッシングかけて、みそ汁とご飯、たまに納豆を追加します。一応、栄養バランスはとれていますが、人様にお出しするようなものは作れません」
中山「料理が好きなんですか?」
羽田「いや、食事をするために外出するのが嫌なんです。しかも、外食は油脂類を大量に使っているので、カロリーが高い。余分なカロリーを消費するために運動するのも面倒くさいし、お金もかかる。それならヘルシーなモノを自分でつくっちゃったほうがいいかなと思いまして」
中山「無駄なことはしたくないんですね」
羽田「業務用スーパーで買えば安くすむし、カロリーも低いし、いいことづくめですよ」
中山「合理的に考えるんですね
羽田「合理的かと思いきや、その合理性に行動を縛られて、結構不自由さを感じていたりすることも多いんですよね。カレーを50人前作ったから、あぁまたカレー食べなきゃいけないのかってウンザリしたりします」
中山「50人前!?作りすぎじゃないですか?」
羽田「10人前だとすぐなくなっちゃうしな!と考えていたら、野営方式で作るしかないと思って、圧縮鍋や大釜などをそろえて、50人前作って、半分冷蔵、半分冷凍で保存。意外と1週間くらいでいっちゃいますよ」
中山「いやー、羽田さん、面白い方ですね。次作も楽しみにしていますね!