｢長いことお待たせしちゃってごめん。また日本の皆に会えるのが今からとっても楽しみで、待ちきれないよ」
そう興奮した様子で電話インタビューに応えてくれたのはデュラン・デュランのボーカル、サイモン・ル・ボン（58）。80年代の洋楽シーンをリードし、故ダイアナ妃が大ファンだったことでも知られる英国スーパーグループの初来日公演から35年。前回の来日から9年振りとなる今年、待望の来日公演が決定した。
「僕らが初めて日本に行ったのが82年。若い女の子たちから熱烈な歓迎を受けて外に出られず、ホテルで缶詰めになっていたことをよく覚えているよ。当時、日本のメディアは僕らを『英国からポッと現れたアイドルやポップグループ』という扱いではなく、音楽的に理解し評価してくれていた。そんな嬉しい気持ちにさせてくれたのが日本だったんだ」
デュラン・デュランは来年、結成から40周年を迎える。1978年に英国バーミンガムで産声をあげ、その後メンバーチェンジやサイドプロジェクトなどの活動を経てなおも現役を続けて来られたのにはいったいどんな秘訣があるのだろうか？
「僕らは古くからの長い友人同士で、お互い良い関係を築き上げている。相手を思いやる気持ちがあり、忍耐強くて（笑）。いっしょにいるときはよく笑い合って楽しんでいるよ。メンバー全員のモチベーションも高く、1人じゃなく4人で作るものに最高のものが生まれるってわかっているんだ。その例が一昨年リリースしたアルバム『ペイパー・ゴッズ』。周りの皆も気に入ってくれているよ。これまでアルバムを作り続けて来られたというのは、僕らの良いコミュニケーションの結果だと思う」
アルバム『ペイパー・ゴッズ』は往年のファンも納得の渾身の一作。それはサウンド面のみならずビジュアル面においても、デュラン・デュランというブランドイメージそのまま。ファンの期待を裏切らないものとなっている。
「いちばん気をつけていることはベストな体重を維持し続けること。僕は気を抜くとすぐに太ってしまうんだ。糖分を摂りすぎずジャンクフードを食べない。量も食べ過ぎないよう気をつけているよ。メンバー全員が良い年の取り方をしていて、ラッキーなことに髪もまだまだあるし（笑）。フィジカル面でもステージが良いエクササイズの場になっているんだ。ロジャーならドラムを叩くだけで肉体を酷使するし、ニックはアンコールまでずっとキーボードの前に立っていなきゃいけない。ジョンはギターを持ちながら回転してジャンプし、僕は全身を使って歌う。体力を使うので健康管理にも気を付けているよ」
9月の日本公演はどんなステージになるのか。そして久しぶりの日本で楽しみなことは？
「最新アルバムから30%、これまでの曲から70％、新旧ヒット曲を織り交ぜた構成でセットにもこだわったエネルギッシュなショーになるよ。いっしょに歌って踊って自由に楽しんでもらえれば嬉しいな。あと伝統的な日本食を食べることも楽しみにしているよ。ご飯に味噌汁、漬物に刺身とかね。あっ、スクリーミングチキンも。日本語で何と言うんだろう？昔からずっとそう呼んでいる鶏料理があって……日本に行ってわかったら知らせるよ」
【公演情報】
9月20日（水）東京・日本武道館
9月22日（金）大阪・オリックス劇場
【お問い合わせ】
キョードー東京：0570-550-799
【プロフィール】
1978年、英国バーミンガムにて結成。1980年代に起きたニューロマンティックムーブメントの火付け役となり、ムーブメントを代表するバンドとなる。1981年2月シングル曲「プラネットアース」でデビューし、アルバム『デュラン・デュラン』が全英アルバムチャート3位を記録した。その後も「グラビアの美少女」「ハングリー・ライク・ザ・ウルフ」など数々のシングル曲がヒットし、人気を不動のものとした。メンバーチェンジ、サイドプロジェクトでの活動、再結成など紆余曲折を経て、1982年の初来日公演から35年を迎える今年、9年振りの日本公演が行われる。
