「現場では携帯を触らないんですよ。かばんに入れて、そこから出さないんです。昔は、現場で携帯を使ってる人は何しに来てるんだ? と思っていたくらい。今は気にならないですけど、僕は触りません」
そう話すのは、放送中のドラマ『宮本から君へ』(テレビ東京ほかにて毎週金曜深夜0時52分~)で主人公のサラリーマン・宮本浩を演じる池松壮亮(27)。不器用で熱い営業マンの生きざまを描く伝説のマンガの実写化だ。
「傲慢ですけど、みんながずっと映像化しようとしてきた作品で、誰かが決着をつけなきゃいけないし、自分ができたらいいと思い続けてました」(池松・以下同)
誰よりも宮本が好きと池松は言う。
「移動中は音楽を聴いていて、今回の撮影中はエレカシ漬けでした。主題歌が大好きなエレファントカシマシですごいうれしくて。宮本(浩次)さんがやってくれなかったら主題歌はいらないくらいに思っていたので、ものすごくパワーをいただきました」
作品中、とにかく熱血な宮本は、がむしゃらなあまり、周囲と摩擦が生じることも。
「当時はこんな会社員がいたらすぐに切られるって散々バッシングを浴びたらしいんですけど、原作者の新井さんもそれは重々わかってると思うんです。それでもひとりの人間としての可能性を宮本浩にのせて模索してたんだと思う」
池松自身も、俳優としてどこを目指すかは日々模索中だと語る。しかし、確かな信念がある。
「映画やドラマって面白いし、俳優としていいものを提供したいという思いは変わらない。この作品を、夢がある人、野心がある人、自分を疑ったことがある人、自分の可能性をちゃんと模索して何か未来につなげようとしている人が見たら、響くものがあるんじゃないかと思っています」