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私の周りには、何をやってもうまくいく人と何をやってもうまくいかない人がいます。その違いは何なのでしょうか。今回は「成功する人と成功しない人の4つの違い」を考えたいと思います。

第1は「心を込める」です。何をやってもうまくいく人は、日常のあらゆることに「ちゃんと取り組む」ことができる人です。それは仕事のみならず、家で掃除をするときも、食事をするときも、家族と会話をするときも、すべてにおいて心を込めることができるということを意味します。逆に成功しない人は、何をやっても、それが明るい未来につながるのかを心配したり、その先のことばかりを考えたり、またはやってはいないことを考えたりします。つまり「心ここに在らず」なのです。こういう人は何をやっても中途半端にしかできないので、何も達成できません。今日を生きているのに、昨日のことを後悔したり、明日のことを心配するあまり、目の前の現実をないがしろにしてしまうのです。これでは、本当の人生を味わうことができなくなります。

第2は「優先順位」です。成功する人はすべてにおいて優先順位を強く意識します。優先順位を強く意識すると、本当にやりたいことしかせず、会いたい人にしか会わない「本質的な生き方」を実現することができるようになります。ただ「本質的な生き方」を手に入れるためには、並々ならぬ決意が必要です。あれもこれも欲しがっていたら、本質とは程遠いものになっていきかねないからです。日常を本質で固めるということは「1つを残して99を捨てる」という覚悟に基づく決断が求められます。決断、それは“決”めて“断”つということ。決断しないということはいろいろな可能性を残すということでもありますが、その分、自分の限られた命のエネルギーは分散されることになることを意識したいものです。

第3は「一点突破」です。本当に大切な1つのものに全神経を集中させることで、両立では成し得なかった「突破」が可能になります。すべてを頑張れるほど、私たちにキャパはありません。やるべきことを徹底的に絞り抜き、ターゲットに対して、その都度「一点突破」を目指す生き方をしたいものです。その際、人生の目標がはっきりしないと悩む方もいるかと思います。しかし目標設定を焦る必要はありません。昔はあんなに長期にわたる具体的な計画を立ててきた私でも、今や数カ月先のことは計画しないようにしています。それでも心の中には不安がありません。なぜなら、生きる目的がはっきりしていて、それを常に意識しながら日々を過ごしているからです。今日の自分の想像を超える明日を迎えることが、私は理想的な生き方だと思います。

第4は「絶対的な楽観主義」です。それは、心を乱す要因を除去することでもあります。幸せの9割は感情によって決まると思います。感情との正しい向き合い方を手に入れれば、不幸を避け幸せを手に入れることができます。内面にスペースがなければ、感情に不安が生じてくるもの。そのため、頭で考えることをいったんやめ、先送りする勇気を持つのです。リラックスした精神状態で一点に心の視線を集中すると、完全集中状態を意味する“フロー状態”を手に入れることができます。自分を奮い立たせる必要はありません。落ち着いて、冷静に、粛々と行動していけば良いのです。自分を追い込んで生み出す結果は、本物の結果にはなり得ません。重要なのは踏み出すその一歩、すなわち過程です。どんな逆境でも道は見つかるという絶対的な楽観主義を持つこと。それこそが、道を作る原動力となっていきます。


ジョン・キム 吉本ばなな 「ジョンとばななの幸せって何ですか」(光文社刊・本体1,000円+税)

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吉本ばなな

1964年東京生まれ。’87年『キッチン』で海燕新人文学賞を受賞しデビュー。’88年『ムーンライト・シャドウ』で泉鏡花文学賞、’89年『キッチン』『うたかた/サンクチュアリ』で芸術選奨文部大臣新人賞、同年『TUGUMI』で山本周五郎賞、’95年『アムリタ』で紫式部文学賞、’00年『不倫と南米』でドゥマゴ文学賞をそれぞれ受賞。海外でも多くの賞を受賞し、作品は30カ国以上で翻訳・出版されている。近著に『鳥たち』(集英社刊)、『ふなふな船橋』(朝日新聞出版社刊)など。

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