芸能活動だけでなく、デザイナーやプロデューサーなど実業家としての面も強いタレントの神田うの(40)が、元ベビーシッターから窃盗被害にあったそうです。被害総額は立件できない物を含めると3000万円にも及び、3日放送のテレビ番組では、その経緯や現在の心境を涙ながらに語っていました。

 

今回悪いのは当然元ベビーシッターの女なのですが、ネットを見ると、思わぬ神田うのバッシングも多い。その理由を追ってみると、彼女の強烈なキャラクターに向けられたものだけでなく、日本女性への根強い育児思想が垣間見えるような気がします。

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▪︎被害者なのにバッシングされてしまう理由

神田うのといえば、その強烈で歯切れの良すぎる物言いが、たびたびテレビでも注目されています。「経済的に余裕のない人は卑屈な人が多い」なんて強烈な発言をして、ネットで炎上騒動になったのを覚えている人も多いでしょう。

 

でも今回の事件では、彼女は完全に被害者です。にもかかわらず、「全く同情できない」「ざまあと思ってしまった」など批判的なコメントが目立つのには、やはり金銭的に余裕があり、かつそれを包み隠さずアピールする彼女のキャラクターに、周りが勝手に因果関係感をくっつけたのだと思います。

 

▪︎でも批判のなかに隠れる「女性は育児」という根強い思想

ただ今回の事件の批判を見ると、「ベビーシッター4人は信じられない」「育児してないだろう!」という批判の声も目立ちます。ここは一見その通りだ〜と納得してしまいそうなのですが、少し考えものです。

 

彼女はタレントという冠を取ると、年商100億とも言われる実業家です。ママタレとしての活動もしていますが、普通に考えてここまでの敏腕実業家が育児を一般的なママと同じように出来るわけがないのです。

 

その次元の違いを踏まえずに、「ママタレなのに育児してない!」「ベビーシッターを雇うなんてママ失格」とばかりに煽る声には、日本人にまだまだ根強い“母は家と子供を守ってナンボ”の思想を感じずにはいられません。むしろ「お酒を飲みながら(元ベビーシッターの女性に)相談をしたこともあった。信頼していた」という発言から、ビジネス上での付き合いでも、人と信頼関係を結ぼうとする彼女には、普段の強烈なキャラクターとは異なる一面を感じました。

 

しかしベビーシッターの犯罪ということで、世の働く女性は戦々恐々としたのではないでしょうか。今回は盗られた物がブランド品でしたが、愛娘の命だったら……この犯罪はただの窃盗被害と見えますが、実は世のバリバリ働く女性への、色んな方面からの風当たりの強さを感じさせる事件なのです。

おおしまりえ

雑食系恋愛ジャーナリスト・イラストレーター。10代より水商売やプロ雀士など人気商売に身を投じ、のべ1万人の男性を接客。鋭い観察眼と、男女のコミュニケーションの違いを研究し、恋愛コラムを執筆中。
ブログ:http://oshimarie.com

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