息子が中学2年生になった途端、辻家もすごく慌ただしくなってきました。勉強が難しくなり、課外授業など、学校での生活時間も長くなりました。当然、保護者面談の回数も増えたのです。
そういうことで私メ、思い切って髪を短く切りました。イメージチェンジではありません。学校行事に参加する決意ですね。ロッカーであろうとも、子供の側に立つことの大事さを身なりで示したわけです。(ふつうのことなんですけど……。偉そうにすいません!)ロックは格好じゃないですから、生き方なので、短い髪になっても気骨だけは失わず頑張っていきたいと思っております。
その保護者面談なのですが、フランスはとっても教育熱心。お父さんたちもたくさん参加されています。「教育はお母さんの仕事、お父さんは外で稼ぐ」みたいな日本的な決まり事はありません。親なんだから仕事を早く切り上げて保護者面談に参加するのが当たり前という風潮があります。これはいいことですね。
日本はお父さん方が育休したくても出来ない風潮があるそうです。「お前、育休とるの?」と上司になじられるのだとか……。国がせっかく育児休暇を推奨しているというのに、会社側にそれを受け入れる度量がないのですから、残念ですね。
ともかく、子供のために頑張る親御さんらが多いフランスで、私もどんどん参加せにゃならないと心に決めたわけです。言葉がわからなければ質問すればいいのです。恥ずかしいことですが、決して馬鹿にはされません。むしろ、面談が終わった後、先生や親御さんがわからない箇所を丁寧に教えてくださったりします。そうやってフランス社会に入っていけばいいんです。聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥ですから……。
息子は12歳、難しい年頃です。しかし、子育てというのはここからが勝負だと思っています。親が面倒くさがらず学校行事にどんどん参加する。息子は煙たがるかもしれませんが、伴走は大事。ゴールはもっと先にあるのですから。その父の決意を断髪で示したわけですね(笑)。息子は言いましたよ。「パパ、なんか短い髪の毛、めちゃ似合わないよね」って。ちゃんちゃん。
さて、本日は家中がおいしい香りで包まれる、ほくほく鶏肉の赤ワイン煮です。
材料4人前:骨付き鶏もも肉約800g(関節のところでカットしてあるもの3本)、玉ねぎ大1個、パプリカ1個、お好みの野菜を適量、赤ワイン400、小玉ねぎ10個程度、マッシュルーム10個程度、パセリ少々、片栗粉少々、ベーコン100g。
まず、もも肉をマリネにし一晩おきます。玉ねぎ、パプリカなどの野菜を細切りにし、ローリエ1枚(分量外)、乾燥タイム(分量外)、もも肉を一緒にボウルに入れます。そこに、ひたひたになるまでワインを注ぎ、ラップをして冷蔵庫へ。
翌日、深鍋かココットにオリーブオイルをひき熱し、布巾で水分を十分に拭き取ったもも肉を5〜10分ほど表面がカリカリになるまで強火で炒めます。そこに野菜を入れ一緒に馴染ませたら、赤ワインを注ぎます。ワインがひたひたになっていなければ少し水を足しましょう。中火で煮込んで煮詰めていく感じ。茅乃舎の野菜だし(分量外)を袋から破り投入、もしくは固形ブイヨン(分量外)を1つ。片栗粉も少々。
1時間ほどしたら、カリカリに炒め油を切ったベーコン、マッシュルームをカットしたもの、小玉ねぎを投入、さらに1時間ほど煮込んで、塩・こしょう(分量外)で味を調えます(赤ワインが煮詰まってなければ一度もも肉を取り出しエキスを煮詰めましょう)。
レモングラスで炊いたタイ米かバスマティ米を深皿に盛り、そのうえに鶏肉と野菜、そしてソースをかけ、お好みでパセリをふりかけ完成となります。おいしいですぞ。
ボナペティ!
エッセイで紹介されたレシピは、
辻仁成 子連れロッカー「希望回復大作戦」ムスコ飯<レシピ>で公開中!