「ナポリタンって何?」そんな素朴な疑問から、「ナポリタンの裏ワザレシピ」、「ナポリタンに関するコラム」など……ナポリタンにまつわる豆知識を、ナポ女子がご紹介します!

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前回は、ナポリタンの歴史を紹介しました。しかし、今回は、なんと!“ナポリタン”の歴史を塗り替える新事実を入手。食通のライター・P氏からのタレコミ情報をもとに、検証してみました。

 

某日、いつものように編集部の皆でナポリタンを食べていると、話しは当然、ナポリタンの話題に。ナポリタンの名店やナポリタンの美味しい食べ方などなど……皆それぞれナポリタンについての談義を繰り広げます。そこで、“ナポリタン誕生”の話しを切り出したのがP氏。P氏は、「ナポリタンの発祥は、実は“横浜”じゃないんだよ。アーネスト・ヘミングウェイが1924年書いた、『われらの時代』の中の『二つの心臓の大きな川』に“ナポリタン”が出てくるんだ。だから、海外発祥だと僕は思うね」と話します。私は思わず耳を疑いました。なぜなら、今まで“ナポリタン学会員”として活動してきて、ナポリタンの誕生について“横浜”以外は聞いたことが無かったからです!

 

これは“新たな大発見になる!”と確信した私は、早速、検証してみることにしました。アーネスト・ヘミングウェイの短編小説『われらの時代』にある「二つの大きな心臓の大きな川(Big Two-Hearted River)」の物語です。同作は、主人公・ニックが、1人でキャンプをして、鱒釣りをするお話。高見浩著の『ヘミングウェイ全短編1』(1995年・新潮社)にある、空腹のニックが調理を始める場面で、

『彼はポーク・アンド・ビーンズの缶詰とスパゲティの缶詰を開け、中身をフライパンに移した。』

とあります。続けて、

『ニックは火の上の焼き網に、フライパンを置いた。空腹がいや増した。豆とスパゲティが温まった。ニックはそれをかき回し、よく混ぜ合わせた。泡立ちはじめたが、細かい泡がやっとのことで表面に浮かぶくらいだった。いい匂いがし始めた。』

と、記されており、ニックが缶詰のビーンズを具材にスパゲティを茹で始めたではありませんか!さらには、

『ニックはトマトケチャップの瓶を取り出し、パンを四枚スライスした。細かい泡は今や、さっきよりも速く沸き立っていた。ニックは火の脇に座り、フライパンを火からおろした。彼はフライパンの中身を半分ばかり、ブリキの皿に空けた。それはゆっくりと皿に広がった。ニックはそれが熱すぎると分かっていた。彼はその上にトマトケチャップをたらした。』

と、描かれています。これは、もしかして“ナポリタン”かも……!?具材が異なるものの、熱したフライパンの上で、“スパゲティをケチャップで炒める”。その調理行程は、まさしく“ナポリタン”に酷似。P氏の話しから、今までの“ナポリタンの歴史”を塗り替える新事実が明らかとなった可能性が大いにあります!

 

そして、作者のヘミングウェイは、アメリカ合衆国・シカゴ近郊生まれであるが、1921年から1928年の間はパリに在住。その間、本作を初め、『日はまた昇る』『男だけの世界』などの名作を刊行している。もしかすると、“ナポリタン”の着想を得たのも、美食大国・フランスがきっかけだったりするのでしょうか……?はたまた、既に母国で食していたのでしょうか……?いずれにせよ、“ナポリタン”は、日本ではなく、異国の地・フランスまたはアメリカで誕生したということが、新たな“ナポリタン発祥説(仮)”に加わることでしょう。そして、この仮説は、ナポリタン学会会長さんに判断を委ねましょう!

 

―次回、会長に結果報告した後日談もお楽しみに!

◯参考文献◯

高見浩『われらの時代・男だけの世界―ヘミングウェイ全短編 1―』新潮社(1995年)

 

今日のヒトミコト『妄想を繰り広げる女性記者ヒトミのTwitter連動コラム』

image今回は、ナポリタン発祥の新たな仮説を発見することができました!ナポリタンの謎はまだまだ深いですね…個人的には、青空の下、キャンプでナポリタンを作って食べてみたいです(笑)。大自然の中で食べるナポリタンは、きっと最高ですよね!これから、行楽シーズンも始まることですし、皆さんも山や川、そしてBBQと一緒に……“アウトドアナポリタン”を楽しんでみてはいかがでしょうか♡

 

 

 

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