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3月29日からフィンランドで行われる世界選手権。羽生結弦(22)は2月、平昌五輪のリハーサルともいわれた四大陸選手権に出場。そこで5歳年下のネイサン・チェン(17)に後塵を拝しただけに、今大会ではリベンジ魂に火がついているという。そんな彼の燃える闘志を支えているものが2つあった。前出のフィギュア関係者がこう明かす。

 

「2月14日、四大陸選手権の公式練習後に羽生選手は他の選手たちと帰りのバスに乗り込もうとしていました。そのとき彼は『ちょっと待って!』と言うやリュックからスマホを取り出し、会場となる江陵アイスアリーナの写真を撮り始めたそうです。奇しくも敗北の象徴となってしまったそのスマホ写真を、彼はいつも見られる状態にして持ち歩いています。そして辛いときに眺めることで『もう負けない』と自らを奮い立たせているそうです」

 

それだけ思いが強いのは、この江陵アイスアリーナが平昌五輪の会場でもあるから。そして“屈辱の現場写真”とともに、羽生の心を奮い立たせているのがもうひとつあるという。

 

「四大陸選手権の表彰式後、羽生選手のもとにネイサン・チェンのコーチであるラファエル・アルトゥニアン氏が寄って来てきたそうです。彼は因縁のライバルのコーチであり、そして羽生選手のコーチであるブライアン・オーサー氏と犬猿の仲。そんなアルトゥニアン氏が『君のジャンプは本当に美しい!』と言って握手を求めたのです。そして『サインをしてくれ!』と言ってサインペンを差し出してきたそうです」(別のフィギュア関係者)

 

ライバル陣営から思いがけずかけられた言葉もまた、羽生の魂に火をつけることになったようだ。

 

「アルトゥニアン氏はジャンプを教えるスペシャリストのような存在。そんな彼がわざわざ敵のもとを訪れ、ジャンプを絶賛した。そのことに羽生選手は『自分がやってきたことは間違っていなかった』と確信したといいます。羽生選手が四大陸選手権に出場したのは『五輪本番を見据えてリンクの状態を確認したい』という理由からで、コンディションは万全ではありませんでした。しかし世界選手権では違います。彼は『今度は絶対勝つ。ネイサンに負けない』と自信をうかがわせるような発言もしているそうですから、再び絶対王者としての姿をみせてくれるのではないでしょうか」(前出・別のフィギュア関係者)

 

屈辱の現場写真と敵コーチからの言葉――。その2つを胸にしのばせ、羽生は静かな闘志を燃やし続けている。

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