「“上手に話す”でなくていいのです。大切なのはあなたらしさが表れる話し方をすること。自分が思っていることを自分らしく話せたとき、魅力はもっとも輝きます。コミュニケーションが取れるにつれ家族の絆も深まります」
そう語るのは、NHK松山放送局アナウンサー時代に培った経験をもとに話し方教室『KEE’S』を設立した野村絵理奈さん。アナウンサー志望者の2.5人に1人が試験に合格し、ミス・ユニバースの公式トレーナーも務め、受講者1万人の人生を変えるなど、いま“小さな話し方教室の奇跡”と話題になっている。
「家族の気持ちはおざなりにしがちです。つい夫や子供に、ネガティブな“やってくれない”ことを先に指摘してしまったりしますね。特に子供は、親の話し方次第で萎縮してしまいます。子供には、自己肯定感を持てるように、できたことだけに焦点をあてて褒めることを心がけましょう」(野村さん・以下同)
誰もがいちばん身近な人に認められたいし、褒めてほしいいもの。ただそれだけで、夫や子供のヤル気に違いが出てくるという。それにはコミュニケーション不足が大きくなる前の、“ちょこちょこ修復”の言葉がけが効果的だそう。
「朝、オーラトレーニングをしてみましょう。ボールを投げるように、『おはよう〜』の声を、斜め45度上に向けて、明るく投げかけます。部屋を自分の笑声(笑顔の音)と柔らかなオーラで染めていきます。『おつかれさま』『おかえり』の挨拶はもちろん、ご主人の仕事や外見を褒めることで男性的な魅力を取り戻し、恋人時代のような感情を妻に抱くように」
褒めることで、相手に関心があり、「私はあなたの最大のファンですよ」という意思表示になり、家族に安心感とヤル気を与えるのだ。
「シンプルな短い言葉で、褒めることで自信が向上。夫の仕事への意欲もアップして昇進にもつながります。子供もその子の能力が引き出されていきます」
子供には過度な期待をするあまり、できないことを怒る、怒鳴る強硬手段で勉強や身の回りのことを強制しがち。
「子供がやることにはちゃんと意味があります。ママの頭で、判断しないことが大切。じっくり話を聞くことが必要です。失敗の中にも何かしらいいことはあります。注意する前に子供のいい点を褒めましょう。そして答えをすべて教えるよりは、自分で考えて乗り越えさせましょう。達成できたとき、本人の自信になりヤル気は必ずアップします」