マクドナルドだけでなく、マルハニチロ、日清食品、伊藤ハム、フジッコなどでも異物混入が続発――。本誌は昨年1月からの1年間に、「食品の異物混入」を発表した企業12社を取材。問題の商品を購入、口にした消費者たちへの対応を聞いた。
「店舗ごとにさまざまなケースがありますので、お詫びの方法などは社で統一的な取り決めはなく、お客様と接する各店舗の責任者の判断で行っています」(マクドナルドの担当者)
セットのポテトに人間の歯が混入していた件で、そのポテトを口にした被害者が自身のブログに《最初にマネージャーが来られた際、お詫びのしるしとしてセット無料券を持ってこられました》と綴っている。マクドナルドは、被害者に同じ商品を買うことが出来る500円相当の商品券を渡し、問題の解決を図ったようだ。
離乳食にコオロギが混入していた和光堂の広報担当者は「返品分に関しては、主に今回は郵便為替で代金を返金させていただきました」と語る。カップ焼きそば・ペヤングにゴキブリが混入していた、まるか食品にも問い合わせたが、担当者は不在。同社のHPには、着払いの商品が到着後、代金を送るとの案内が掲載されていた。各企業とも、開封後も返品は受け付けるが、代金がクオカードなどで送られるのみ。「異物混入食品」全12社を本誌が取材したところ、お詫びは全社が代金を返金しただけにとどまっていたのだ。
クッピーラムネの一部商品に塗料片が混入していたカクダイ製菓も代金分を返済。だが、「一件だけは別の対応をした」と営業担当者は言う。
「異物が混入しているとのお電話をお客様からいただき、後日、私が直接謝罪にうかがいしました。商品代金をその場でお支払いし、和菓子などの粗品を持参しました」
12社中、代金以外の“お詫び”をしたことを明かしたのは、実は同社だけ。賠償問題にくわしい弁護士の濱川俊氏は、こう解説する。
「商品に異物が混入していた場合、その企業からいくらもらえるかは、法的には購入した被害の弁済が基本。なので、お詫びの金額としては代金だけになってしまうのです」