「消費税増税がほぼ確実なら、早めに頭を切り替え対策をとることで、少しでも得する方法はないのか、探してみました」と言うのは、経済ジャーナリストの荻原博子さん。
増税というと、大きな買い物を急いで決断する人がいるが、焦る必要はない。むしろ増税後のほうが得になる場合もあるという。
「住宅は来年4月以降、住宅ローン控除と、所得に応じた『住まい給付金』の給付が決まっています。これは増税後から’17年末まで、年収425万円以下なら年間30万円、425万〜475万円以下なら20万円、475万〜510万円以下なら10万円の現金が給付されるものです。この控除と給付金をあわせると、それほど大きな負担増にはなりません。今、慌てて決断するのは避けたほうがいいと思います」
自動車は来年4月から自動車取得税が軽減され、’15年10月で廃止される方針が固まっている。つまり消費税増税後も負担はほとんど変わらないという。
「自動車業界は日進月歩で技術革新が進みますから、待てばよりよい性能の車がより安くなる可能性もあります。これも、焦って購入する必要はないでしょう」
消費税増税に伴う経過措置には、旅客運賃も含まれる。4月1日までに購入した定期券や予約券は、そのまま使える。来年3月末に6カ月定期を購入すれば、半年間も3%安い料金で乗車できる。
「たとえば八王子〜新宿間にJRで通勤される方は、1カ月定期だと1万3,860円。これを6回買うと8万3,160円ですが、6カ月定期なら6万6,530円。1カ月分を超える1万6,630円、約20%もお得です。
4月以降は今までどおり毎月の家計から定期代を支出し積み立てれば、6カ月ごとにご褒美がもらえます。消費税増税は、家計にいい流れをつくるチャンスにもなるのです」
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