「4月から電力自由化が始まります。各社の料金プランには、セット割などとともに、『ポイントが付く』という特典も見られます。たとえば、Tポイントならファミリーマートやガスト、ガソリンスタンドのエネオスなど、ポンタならローソンやケンタッキーフライドチキン、昭和シェル石油などが提携。提携店ならどこでも、ポイントがもらえて1ポイント=1円で使えます。つまり、昭和シェルでためたポンタのポイントを、ローソンで使えるのです」
こう話すのは、経済ジャーナリストの荻原博子さん。最近はポイントサービスを行う企業が増えてきて、先述の通り、電気料金にも適用されるようになった。
「東京電力では、電力自由化後の契約者を対象に、料金1千円ごとに、Tポイントかポンタが5ポイント付きます。また、電力小売りに参入する東京ガスは独自のポイント『パッチョ』で、電気料金1千円ごとに15パッチョポイントを付与します。さて、どちらがお得なのでしょうか」
ポイントの比較は、支払い額に対して何円分のポイントが付くのかを計算。
「東京電力は1千円の支払いで5ポイント=5円ですから、5円/1千円で還元率は0.5%です。同様に東京ガスは、1パッチョポイント=1円なので15円/1千円で還元率は1.5%。ポイントに関しては東京ガスがお得といえます」
さらに、一部の金融機関でも導入が始まった。
「新生銀行のTポイントプログラムは、提携するコンビニATMでの入出金や、給与などの振り込みでポイントがたまります。コンビニATMは利用手数料がかかる銀行が多い中、手数料無料のうえ、ポイントが付くのは珍しいサービスでしょう」
静岡のスルガ銀行は、昨年、インターネット専用のTポイント支店を開設しました。ここで口座をつくると、給与振り込みや定期預金10万円ごとにポイントが付く。
「加えてクレジットカードで支払うと、カード独自のポイントが付きますので、ポイントを二重に取得することができます。たとえばガストでの食事では、代金分のTポイントと、カードポイントの2つが付くのです。カードポイントは、Tポイントなどに交換することができます」
このポイントの二重取りをすすめる人もいるが、萩原さんはポイントに振り回されないことが大切だと語る。
「ポイント◯倍につられての大量買いや、いつもは現金なのにカードで支払うなどは、家計が混乱しかねません。ためるポイントサービスを決めれば、いつもどおりの生活でもポイントは自然とたまります。ポイントには有効期限がありますので、たまったポイントは無駄なく使いましょう」