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昨年育てたダイコン。

春先に薄むらさき色の可憐な花を咲かせ、その後種を実らせ、梅雨時に種とり完了。

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8月末からが種蒔きシーズンとなるので、さっそく蒔いたところ、たった数日で芽を出してくれました!

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まさに正真正銘のカイワレダイコン。間引き菜をつまみ食いするとピリっと辛くて美味しいんです。

自分の手で育てて種とりした命がこうして新たな命につながる。

連綿たる命の営みに触れるこの瞬間は喜びに溢れます!

 

さて、先日のこと。

7月に開催していただいた講演会(詳しくは、第27灯 講演会「“あの”佐藤千佳さんに聞く『電力完全自給生活』」が無事に終了! をお読みください)を聴きに来て下さった方と後日お会いすることに。

その方は、次のようにおっしゃいました。

 

「晴れた電氣富豪の日は電力が余るから、たくさん家電を動かして生産性を高めると言っていましたが、それなら売電して他の家庭で使われることの方がよっぽど効率的だと思いますし、オール電化の家の方がエコではないでしょうか?電力が余っているのに売電しないなんてもったいないと思います。正直ボクは、あなたのしていることが『本末転倒』だと思いました。」

 

ほほう、なるほど『本末転倒』か。

この人は、売電された電氣が世の中で使われていると思っているんだ。そして、一般の人たちも同じように考えているんだ。

売電に関する一般的な固定観念とわたしの考えとの間に大きなギャップがあることに初めてきづきました。

電力自給生活を始めて一年も経つころにやっときづくなんて、わたしはなんて鈍感でおめでたい人間なのだろう、とちょっと自分に笑ってしまいました。

 

電柱の送電線に流した電気はロスが大きい

わたしたちは当初、電力会社と系統連結して売電をすることを考えました。

でも、調べていくうちに色々な真実が見えてきて、売電は逆に原発を推進してしまう結果になりかねないという結論に至り、やめました。

(電柱を敷地内に立てないといけないと言われて、それがイヤで電力会社と繋がるのをやめたということもありますが…笑)

 

みなさん、売電した電氣は使われず無駄になっている可能性が高いということをご存知でしょうか?

これは田中優さんのお話を聴いて知ったことなのですが、送電ロスが大きい電柱の送電線に逆潮流させた電氣は、近くで消費がなければ消えてしまうそうです。

 

太陽光発電は、スケールメリットがないという特徴もあるそうです。

どんなに大きく作っても効率は上がらず、どんなに小さく作っても効率は下がらない。

だから、家庭などの小さな単位のところで作って使うのに適したエネルギーだということ。

やっぱり自家発電による電力自給は一番効率がよいのです。

そう考えると屋根いっぱいにパネルを乗っけた家庭の売電システムだけにとどまらず、メガソーラーにも疑問が浮かびます。

 

電氣はその場で作って使うのが黄金ルールです。

でも、売電する方々は、少しでもおカネに替えたいと思われるようで、昼間せっかく作られている出来たての電氣をなるべく使わないようにして流してしまいます。

そして夜は、火力発電で石油や石炭を燃やしてCO2を排出して作られた電氣や、危険な原発で作られた電氣を安く買って暮らされています。

わたしは、こちらの方がよっぽど『本末転倒』のように感じてしまうんです。

昼間は太陽の惠みで発電した電氣をたくさん使って家電を動かして生産性を高めて、余った電氣はバッテリーに溜めて夜から次の日まで使う。

こちらの方が効率的で無駄がなく、エコのように思いませんか?

 

電氣は熱を生みだすのが大の苦手。料理や暖房など、たくさん熱を作らせるのは、ちょっと不憫

売電を導入するとオール電化を促されますが、オール電化にするとアンペア数が格段に高く設定されます。

一般家庭なら30Aで十分ですが、60A以上で契約するのが基本のようです。

売電で得られるおカネは、一般契約者が支払う電氣料金に上乗せされた再エネ賦課金。

電力会社は痛くも痒くもなく、むしろ高い基本料金と再エネ賦課金でホクホク状態!

電力会社におカネを渡すのは、原発を買い支えるのと一緒。

巧みな罠にハマらないことが必要だと思っています。

 

今灯を読まれて、売電制度やオール電化を導入して暮らしている方を不快なきもちにさせてしまっていたら申し訳ありません。

そのような暮らしを責めているわけではないことをどうかご理解ください。

ただ、「売電しない=もったいない」「オール電化=エコ住宅」という、社会や企業がつくりあげた固定観念からオフグリッドしてみることも大切だと思うんです。

視点や見方が変わると、どちらが本当の意味で『本末転倒』か、ちょっと見えてくることもあると思うんです。

売電は確かに儲かりますが、このような理由から我が家はやめました。

電力会社の思う壺にさせないぞ!というわたしたちなりの抵抗と言ってもいいかもしれません。

 

オール電化は電氣食いのお家ですよね。

電氣は熱を生みだすのが大の苦手という性格をしています。

そんなキャラクターのエネルギーに、料理や暖房などたくさん熱を作らせるのは、ちょっと不憫で可哀そうに思ってしまいます。

電氣とは、大げさに使うものではなく、ささやかに使ってこそ、その個性が開花して共に幸せに調和して暮らせるもの。

電力完全自給生活を一年ほど経験して、最近はこのような境地に至り始めています。

 

電氣を効率よく使うということは、作った電氣を電線に流すことではなく、自分たちがその場で作って使い切るということ。

エコ住宅とは、電氣で全てをまかなう大がかりなものではなく、「足るを知る」の暮らしで成り立つ慎ましい住宅というもの。

これが本来の意味ではないか、とわたしは考えます。

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