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息子との父子旅、今回はハンガリーの首都・ブダペストでした。もう14歳ですから、あと何回一緒に旅ができるでしょうね。皆さん、家族旅行していらっしゃいますか? 本音を語り合うのは旅先に限ります。家の中だと、どうしても話しにくいことってあるじゃないですか? でも、旅先だと心も緩みますからね。大河ドナウが私たち父子の心を開いてくれました。2人で遊覧船に乗り、爽やかな風を感じながら、たくさん語り合ってきました。遠くには美しいブダ宮殿が、その上を流れてゆく雲のなんと雄大なことか……。
「なんか父ちゃんに話しておきたいことはあるか?」さりげなく、問いかけてみました。「別に、ないよ」「いじめられたりしてないか?」「ないよ」「寂しいなって思うことはないのか?」「ないよ」本当は、母親の不在について今どのような心境か父親として探りを入れてみたかったのです。この4年間、この話題だけはタブーでした。
3年ほど前のことになりますが、南仏で一度、聞いたことがあったのです。その時、彼は珍しく怒って、「そういうことを訊かないで、ぼくだって思い出さないように必死なんだから」ときつい言葉が戻ってきました。それからしばらくの間、腫れ物に触るような日々が続きました。父親が無理矢理に話を聞くのはよくありません。でも、全く触れないというのもおかしな話で、だからこそ、悩みました。
今回はさりげなく話題をふってみました。「パパ、こうやって川が流れるように時間というものも過ぎていくんだね」と息子が答えました。私は頷きます。「ぼくはいつか家族を作って、幸せになるんだ。その時、この景色を思い出すかもしれないね。もしかしたら、ぼくは子供たちをここに連れてくるかもしれない。そしたらパパのように、彼らに何か話しかけるのかな。心配事はないのか? パパに話したいことはないのかってね」大人になったなぁ、と思いました。もう言葉で確認することでもないな、と安心を覚えました。
さて、今日はハンガリーの愛情たっぷり家庭料理をご紹介しましょう。ブダペストでもっとも息子の心と胃袋を掴んだのが「ラコット」という、ハンガリーポテトプレートです。地元の食堂では3ユーロ(約400円)くらいで食べることができます。本来はチョリソーを使うのですが、普通のソーセージでも美味しく作れるようにアレンジしてみましたよ。でも、チョリソーがあったら、チョリソーでぜひやってみてください!
材料2~3人前:じゃがいも400g、厚切りベーコン100g、ソーセージ100g(チョリソーが手に入るなら、ベーコンとソーセージの代わりにチョリソーを150g、その場合タバスコは必要なし)、玉ねぎ100g、サワークリーム大さじ4~5、ゆで卵2個、タバスコ小さじ1、白ワイン大さじ1、マジョラム(スパイス)少々、パプリカパウダー少々、オリーブオイル適量、塩・こしょう適量。
まず、卵は少し長めに、1cm程度に輪切りにしたじゃがいもは串がすっと入るくらいにそれぞれゆでておきます。次にフライパンに軽くオリーブオイルを引き、細切りにしたベーコンと玉ねぎ、輪切りにしたソーセージを炒めます。そこにゆで卵の黄身とサワークリーム大さじ1(残りはトッピング用)、マジョラム、白ワインを入れ、よく絡めます。卵の黄身を潰しながらソースに練り込むのがコツ。よく絡まったら、じゃがいもと細かく刻んだゆで卵の白身も投入し、塩・こしょうとタバスコを振りかけてさらに炒めたら、お皿に盛って中央に残ったサワークリームをのせます。最後にパプリカパウダーを振りかけて完成です。
ホクホクのじゃがいもにサワークリームの爽やかな風が流れ込み、まるでブダペストにいるような気持ちになりますよ!

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