富川盛武副知事(左から3人目)に本島北部で計画するテーマパーク事業への協力を要請する刀の森岡毅CEO(左端)、リウボウHDの糸数剛一会長(同2人目)、オリオンビールの嘉手苅義男会長(同4人目)、ゆがふホールディングスの前田裕子取締役(同5人目)=3日午前、県庁 画像を見る

 

オリオンビールとリウボウ、ゆがふホールディングス、刀の4社が沖縄本島北部でテーマパーク事業を展開する準備を進めていることが3日、分かった。4社が軸となり早期に新会社を設立する方向で調整している。2020年代前半の開業を目指す。具体的な計画は未定だが、沖縄の魅力を前面に打ち出したパーク建設を計画している。

 

本島北部へのテーマパーク建設を巡っては、14~15年にかけて、カジノを含む統合型リゾート(IR)を念頭に米映画テーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)」(大阪府)の運営会社「ユー・エス・ジェイ」が名護市のネオパークオキナワ、本部町の国営海洋博公園周辺へ進出する計画が浮上した。

 

4社の計画はユー・エス・ジェイ元執行役員の森岡毅氏が設立したマーケティング会社「刀」の科学的手法による効率的な施設運営のノウハウを基にしている。立地は決まっていないが、同様の場所が候補地になる可能性がある。IRについて刀社は現時点で計画はないとした。

 

オリオンビールの嘉手苅義男会長とリウボウHDの糸数剛一会長、ゆがふHDの前田裕子取締役、刀の森岡CEOは3日、県庁に富川盛武副知事を訪ね、北部振興や沖縄への国内外からの投資を呼び込む「変化の起点」になるとして支援を要請。パーク建設により観光客の滞在日数や消費単価増加などの効果が見込めると説明した。県に対し(1)テーマパーク事業の実現に向けた支援(2)テーマパークを含めた北部地区全体のインフラ整備(3)沖縄自動車道の名護市内・本部町までの延伸、那覇市周辺から北部への鉄軌道早期着工―の3点を求めた。富川氏は鉄軌道やインフラ整備に尽力する姿勢を示した上で「北部にテーマパークができれば沖縄全体の観光振興等々非常に大きな経済効果があると理解している」と期待感を示した。県によると、計画が実現すれば沖縄振興特別措置法に基づき税制優遇措置が受けられる観光地形成促進地域制度の対象になるという。
(仲村良太)

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