「孫は昔からやたらと背が高かったから。鴨居に頭をぶつけるだけじゃなく、何か利用方法はないものかね、と前から私は言っていたんです。そういう意味では、モデルという仕事も“利用方法”の1つですよね」
独特の言い回しで、本誌のインタビュー取材に答えてくれたのは女優・樹木希林(75)。
樹木の孫で、本木雅弘(52)の長男である雅樂(20)が、UTAとして、パリコレでモデルデビューして注目を集めている。
UTAがモデルを志したのは《服というのは内面を映す鏡。いろいろな服を着ることで、より自分を客観視することができる》という樹木の言葉に感銘を受けたからだというが、樹木本人には“孫の背中を押した”という自覚はまったくないようだ。
「後追しなんて、そんなたいそうなことしていません。ただね、いろいろなデザインの洋服を着せてもらえるのは、若い時期には必要なことだとは思っています。いつも(バスケのときに着ているような)Tシャツに半ズボンじゃ、ちょっとねぇ……。一生、そういう恰好しかできない人になっちゃうから」
溺愛している孫のことなのに、淡々と人ごとのように語るのが“希林流”だ。
「モデルデビュー決断の経緯?その辺は全然わかりませんねぇ。いつごろ決めたのでしょう。みなさんは『そんなに背が高いなら、仕事なんていくらでもあるんじゃない』とか気軽に言いますけれど、なかなか見つからなかったんじゃない?それでモデルになっちゃったんじゃないかと私は思っています。顔立ちですか?不満を抱いている感じが、いつも目や口元に出ているでしょ。あの感じが私はいいと思っています。おじいちゃん、つまり内田裕也さんの若いころにソックリですよ。いつも、ああいう不満そうな顔つきをしていましたから。でも性格は正反対。裕也さんと違って孫は温厚だから、人と揉めるようなことはないわね」
最近では木村拓哉と工藤静香の次女・Koki,(15)がデビューするなど、多くの二世たちが芸能界で活躍している。
「(孫は)タレントとか俳優には全然向いてないね。だって、まったくしゃべらないもの。こんなにおしゃべりなおばあちゃんやおじいちゃんがいるのにね。私としては、できれば玉の輿に乗ってもらえれば安心。男の子だから“逆玉”かな」
俳優デビューの可能性は薄そうなUTAだが、その妹・内田伽羅(19)は、樹木と映画『あん』(’15年公開)で共演している。
「そのときだけですよ。伽羅も別に俳優になるわけじゃありませんから。(共演の)後で、伽羅に『役者になりたいのか?』と聞いたら、『全然興味ない』って。だから青春の一過性のものですよ。孫に会えなくて寂しくないかって?いや、全然寂しくない。孫は元気で海外がいいってね。孫たちと同居とかすると、ゴミが増えるだけですから。私はゴミ出し担当なので大変なんですよ」
こんな“ロックな”祖母を持つUTAなら、パリコレのランウェイでもまったく緊張しなかったに違いない。