ユネスコの補助機関が無形文化遺産に登録するよう勧告した宮古島市平良島尻のパーントゥ 画像を見る

 

文化庁は24日、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の補助機関が「宮古島のパーントゥ」(宮古島市)や「男鹿のナマハゲ」(秋田)など8県10件の伝統行事で構成する「来訪神 仮面・仮装の神々」を無形に登録するよう勧告したと発表した。11月26日から12月1日までインド洋のモーリシャスで開かれるユネスコ政府間委員会で、勧告通り登録が決まる見通しだ。県内からは2010年11月に組踊が単独でユネスコの無形文化遺産に登録された。今回の登録が決まれば県内では2例目。世界に誇る貴重な無形文化遺産として認められることになる。

 

来訪神は、正月などに仮面をかぶったり仮装したりした人が「神」として家々を訪れ、幸福をもたらすとされる行事。宮古島市平良島尻と同市上野野原で行われている「宮古島のパーントゥ」を含め、10件はいずれも国の重要無形民俗文化財に指定されている。政府は「地域の結びつきや世代を超えた交流を深める絆の役割を果たし、伝承されてきた」として、昨年3月に登録申請していた。

 

文化庁によると、補助機関は「地域文化の多様性を示しており、保護対策も取られている」と来訪神を評価した。10件のうち「甑島(こしきじま)のトシドン」(鹿児島)は、2009年に単独で登録された。その後、追加で登録を目指した男鹿のナマハゲが「トシドンと類似している」との理由で見送られたのを受け、政府は、トシドンやナマハゲ、宮古島のパーントゥなど複数の行事をまとめて一つの遺産とみなす手法に切り替えた。

 

日本の無形文化遺産は現在21件。来訪神は、既に登録されているトシドンの「拡張」として扱われるため、登録されても総件数は増えない。

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