メリットトレーディングの「一日游」に参加する外国人客ら=2017年6月 (同社提供) 画像を見る

 

沖縄県内で無許可のタクシー営業「白タク」と対抗するためにスタートしたメリットトレーディング(那覇市、張進社長)の中国語ガイド付きの1日観光「一日游(イーズヨー)」が外国人客に人気だ。同商品を発売した2014年の参加者は年間4千人だったが、17年に8倍の3万2千人に増加した。現在、中国のインターネット最大手の携程旅行網(シートリップ)でも最も人気の沖縄1日観光プランとして販売され、今年の参加者はさらに増える見込みだ。

 

参加者は、日本で運転が認められていない中国人客が7割で、ほかは香港や台湾、ベトナムなど東南アジア客が占める。

 

同社の宍戸喜夫会長は「沖縄観光は団体旅行からFIT(個人手配の海外旅行)に推移しているが、県内の受け入れ対策がまだできていない」と指摘する。

 

14年当初、主に3泊4日の海外団体客を受け入れ、そのうちの1日は旅行日程を組まないフリータイムだった。だが、観光客はこのフリータイムをどう利用するか分からず、逆に「白タク」が横行する絶好のチャンスになったという。

 

王子龍(オウシリュウ)専務は「白タクは客に対して保険をかけていないから、安全面で非常に問題がある。われわれは白タクの営業を止めたいため、1日観光のプラン販売を始めた」と説明する。販売当初は認知度が低く、1日10人未満の日もよくあり、約半年間赤字だったという。しかし「最初は苦しかったけど、継続しないと集客ができない。そのため、客が1人でも毎日発車してきた」と振り返った。

 

現在、同社の「一日游」は沖縄北部や南部を巡る計4コースがある。王専務は「今後、一日游商品をさらに進化させていく。英語版プランのほか、沖縄の伝統文化を楽しむ体験コースも取り入れていきたい」と意気込んだ。 (呉俐君)

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