「実は、以前の日本青年館ホールは、僕の両親が結婚披露宴をした場所らしいんです。当時は最新の会館だったんでしょうね。今はリニューアルして姿は変わっていると思いますが、そこでお芝居をするなんて。家族も見に来ると思いますし、不思議な縁を感じます」
そう語るのは、この夏、東京・日本青年館ホールで上演される舞台『君の輝く夜に~FREE TIME,SHOW TIME~』(8月30日~9月23日まで)の稽古中の稲垣吾郎(45)。昨年夏、京都で上演した同舞台は、ひとつの恋を失った男が新たに3人の女性と出会う大人の恋の物語。そして今回は、昨年11月に亡くなった作曲家・佐山雅弘氏の追悼公演となる。
「本当に残念です。でも、悲しんでばかりいるのは、亡くなられた佐山さんも望んでいることではないと思うので、僕らが遺志を引き継いで伝えていきたいです。今回は息子さんが代わりにピアノを担当されるので、佐山さんも天国から温かく見守ってくれるのかなと思いながら……。歴史ある京都の劇場で始まった公演が、東京の日本青年館ホールという最新の劇場で上演できることも楽しみですね。劇場の周辺は、国立競技場を含め、以前の面影もないほど変わっていますから。2020年に向けて盛り上がっているホットな場所でお芝居できることも、うれしいですね」
キャストも昨年に引き続き、安寿ミラ(59)をはじめとする大人の女性3人との共演となる。
「今回は、一度できあがったものを、また違ったところから展開させます。よりクオリティーの高いものをお届けすることができるのではないかと思っています」
そんな情熱を込めて臨む舞台だけでなく、最近ではSNSやネットメディアなど新たなフィールドへと活躍の場を広げている稲垣。今年3月には、惜しまれながらも『ゴロウ・デラックス』(TBS系)が終了したばかりだが、“テレビの時代”を牽引してきた彼が今見据えるものとは何なのだろうか。
「『ゴロウ・デラックス』で培ってきた人脈や興味は、今後も継続していきたいです。今、月イチでやっている『7.2 新しい別の窓』(AbemaTV)で“インテリゴロウ”という対談のコーナーが新しく始まりました。放送では10分程度ですが、1時間くらいお話ししてぜいたくに収録しています。今後は作家さんや映画監督さんに限らず幅広く文化人の方をお招きし、ロケに行くこともあると思いますので、楽しみですね」
どんな状況であれ、時代はどんどん変わっていくもの。
「そこはついていかなきゃいけないし、逆に引っ張っていかなきゃいけないという思いもありますね。メディアの形も変わっていくのは当然で。でも、古いもののよさもあれば、新しいもののよさもありますよね。僕らは『テレビだから、ネットだから』と分けて考えているわけではなく、モチベーションはまったく同じ。新しいことには常に意欲的に挑戦していきたいですし、起用したいとおっしゃる方がいればテレビもやっていきたいです」