土砂崩れの現場で被害状況を確認する名護署員=3日午前、名護市嘉陽の国道331号 画像を見る

 

2日の大雨は沖縄県名護市東海岸地域に深い爪痕を残した。名護市嘉陽の土砂崩れは国道331号を完全にふさいだ。東海岸側を南北に通行できないため山を越えて西側の国道58号に大きく迂回(うかい)しなければならず、通勤や物流など生活に影響が出ている。台風8号の影響も予想される中で県は被害調査に入れず、復旧の見通しは立たない。一夜明けた3日、市源河の農道での土砂崩れや辺野古の市道の一部陥没など新たな被害が判明、県や市が対応に追われている。

 

3日、嘉陽の崩落現場調査に訪れた県職員は「ここまでひどいとは」と話した。道路上には約50メートルにわたって大きな岩や木、土砂などが数メートルの高さまで積もっていた。「土砂撤去自体に時間はかからない。ただ、またいつ崩れるか分からない。台風も近づいている。二次被害を生まないよう進めるのに数カ月かかるかもしれない」と語った。

 

土砂崩れ現場から北に数百メートルの会社に勤める新里昭子さんは2日夕、自宅のある宜野座村に帰ろうと崩落直前に国道331号を南下した。「斜面のあちこちからものすごい勢いで水が流れていた。大丈夫かなと怖かった」と振り返った。普段は約35分の通勤時間が、通行止めで1時間以上かかる。

 

市消防本部によると本来、同消防久志出張所が管轄する市嘉陽以北の天仁屋、有津などへの救急出動が崩落の影響で西側にある本部対応になるため約15分到着時間が延びる。天仁屋で暮らす80代の男性は「(到着の)遅れで命に関わったらと思うと不安だ」と語った。

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