約50年ぶりの再会を果たし抱き合う玉城文子さん(左)と砂川幸江さん=16日午後、那覇市 画像を見る

 

50年以上前に約1年間預かった女児「幸恵(ゆきえ)ちゃん」を探していた沖縄県豊見城市の保育園経営玉城文子さん(82)が16日、本人と再会を果たした。13日付本紙記事「幸恵ちゃん 会いたい」を読んだ関係者から連絡を受け、実現した。玉城さんは「ずっと心残りで、このまま死にたくないと思っていた。この縁を大切にし、これからも“親子”として心を通わせていきたい」と感激していた。

 

女性は那覇市に住む砂川幸江さん(54)。13日の報道を見た親戚から「あなたのことじゃないのか」と指摘された。名前の漢字は違ったが、母に確認したところ間違いないことが分かり、玉城さんに連絡した。

 

幸江さんは幼い頃、一時的に知人に預けられていたとは聞いていたが、詳しくは聞かされていなかった。未熟児でよく風邪をひいたこと、息子2人を抱えながらわが子同然に育てたという玉城さんの話を聞き「親以上の愛情をもらっていたことを知り、感謝しかない」と目頭を押さえた。

 

保育園を出た後は父を亡くし、母が家を出て行かざるを得なくなるなど波瀾万丈(はらんばんじょう)の人生を送った。それでも今は息子や2人の孫と一緒に暮らし、幸せだという。

 

玉城さんは「幸せに恵まれてほしい、と確かに『幸恵』と名付けた」と言うが実際は「幸江」さんだった。それでも「幸せな子であることは間違いない。私も“娘”と会えて幸せいっぱい」と感慨深げだった。

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