サンライズなは商店街にあるゲームセンター「ゲームインナハⅡ」=24日、那覇市松尾 画像を見る

 

サンライズなは商店街にあるゲームセンター「ゲームインナハⅡ」(通称・インツー)が26日で閉店する。那覇市松尾に開業して約26年。家庭用ゲーム機やスマートフォンの普及で来店客が減少している上、10月の消費増税による経費増が経営を圧迫することもあり、1993年以来の営業に幕を下ろすことを決めた。20年以上通ってゲームの国際大会で優勝しプロになった人もおり、子どものころからの常連客らは「守りたい場所だった」「ショック」と閉店を惜しんでいる。

 

90年代の懐かしのゲーム機から流れるBGMや素早い操作音が聞こえる店内は23日、午後10時を過ぎても40人近くの客でにぎわっていた。今も1回50円や100円で手軽に楽しめる。小中学生のころから通う客は成長し、社会人になった現在は仕事を終えて夜から店に集う。

 

対戦形式の格闘ゲーム機に腰掛け、真剣な表情でゲームに興じる。勝負が決まると一転して柔和な表情を浮かべて、プレーヤー名で親しく呼び合う仲間と感想を語り合う。浦添市から通うセイヤさん(31)は「元々知らない人同士だが、一緒に楽しんで仲良くなれる」、那覇市の会社員アサヒさん(37)も「部活みたいで、守りたい場所だった」と店の魅力を語る。

 

店で対戦して技術を高め合い、チームを結成して県外に「遠征」する人たちもいる。中学生の時から通っている那覇市在住のデルンさん(34)、小学生の時からの常連オルガさん(32)らは、2018年1月に東京で開かれた格闘ゲームの国際大会で優勝した。デルンさんは今年からプロのeスポーツチームにも所属しているが、「みんなとゲームができる場がなくなるのは寂しい」と話す。

 

開業時から約24年働く田場哲夫店長(62)も「まだ(営業を)やりたかった」と心残りを隠せない。客から存続の要望も寄せられ「資金が調達できれば」と個人で続ける道も模索する。

 

常連客らは「生きがいみたいなもの」「『インツー』は大きな存在だった」と語る。青春の一コマや仲間との思い出が詰まった場所で、閉店となる26日深夜すぎまで最後の時間を過ごす予定だ。
(大橋弘基)

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