沖縄県那覇市が市通堂町の明治橋近くに整備した貸し切りバス(観光バス)専用待機場が15日、運用を開始した。敷地面積は約3300平方メートルで、26台が駐車できる。2019年度内は無料で利用可能にして周知を図り、20年4月から有料化する予定。一部のバスが違法な路上駐車を行っていることで、市内では道路渋滞が発生している。待機場の整備で渋滞の緩和を目指す。
バス待機場は乗客を降ろした後の駐車場として活用する。市は県と共同で、バス利用者の乗降場を市樋川の「のうれんプラザ」隣の県有地に整備する予定。県との調整に時間がかかったことや、地盤改良の必要が生じたことなどから整備が遅れており、20年3月までの運用開始を目指している。市によると現在は県民広場前と、那覇市ぶんかテンブス館横が乗降場として県警から認められており、同プラザ隣が三つ目。
バス待機場は年中無休で、午前10時から午後8時まで開場している。乗務員用の休憩所もある。土地は那覇港管理組合の所有地で市が借りている。19年度の事業費は約3480万円。20年度から駐車1回につき千円の利用料を徴収する方針。
那覇市は16~18年度にそれぞれ約50日間、バス専用待機場の実用化に向けた実証実験を行った。無料で待機場が使えた16年度は1571台の利用があった。一方で有料化した17年度は245台、18年度は296台と無料だった時期よりも減少した。駐車料は旅行業者らが負担している。
待機場が整備されるまでは、牧志公園付近や沖縄都市モノレールおもろまち駅付近などに違法に駐車するバスもあり、周辺住民などから苦情が出ていた。バス関係者は「安全運行や渋滞緩和のために(旅行業者は)積極的に専用待機場を利用してほしい」と話した。
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