沖縄市出身のバンド「ORANGE RANGE(オレンジレンジ)」のベーシスト・YOHさんが21日、沖縄大学で社会人講師として講義を行った。生い立ちや音楽活動、被災地での支援活動について語り「投げ出したくなるようなつらい時期があっても、そこから何かつかみ取ってほしい」と学生らに語った。
母子家庭で育ったYOHさん。アルコールに依存した父との関わりや、父の死について語り、「普通の家族ではなかったが、父から勉強できる部分もあった。自分の成長につなげ、良いことに変換することも必要だ」と訴えた。
オレンジレンジは2003年にメジャーデビューした。一気にブレイクして目まぐるしい日々を過ごすうちに、体力的にも精神的にも疲弊。できるだけ多くの町を回り、全国各地に音楽を届ける体制をつくったことで、初心を忘れず活動することができたという。
自身やバンドのメンバーらと取り組んだ東日本大震災被災地での支援活動についても紹介。ライブで回ったばかりの町が津波にのまれる映像に「自分の目で直接見る必要がある」と思い立ち、被災地へ足を運んだという。その後は支援物資を届けたりライブを行う活動に取り組んでおり、「優しさがなければ人間性は半減する。思いやりだけは常に心のどこかに置いて過ごしてほしい」と呼び掛けた。
受講した法経学部1年の上原大輝(ひろき)さん(19)は「地道なことからこつこつと被災地支援をしていることに感動した」と話した。
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