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大手総合商社・五木商事で繰り広げられるリアルな人間模様と、中谷美紀(43)演じるシングルマザーが、しなやかな強さで旧態依然とした男社会を渡り歩いていく爽快感が視聴者の心をつかみ、じわじわと視聴率を伸ばしているドラマ『ハル ~総合商社の女~』(テレビ東京系・月曜22時~)。

 

11月11日放送の第4話には、大河ドラマ『いだてん』や、SNSを中心に大きな反響を呼んだ『全裸監督』など、話題作への出演が続く満島真之介(30)がゲストとして登場。彼が演じたのは、五木商事から映像制作会社へ出向しているものの、“数字”や“データ”を理由に自分の企画が却下され続け、会社の方針に不満を抱えている若林隼人という青年だ。

 

実は、かつて映画の助監督として働いていた満島。今回の役どころには、自身と共鳴する部分も多かったという。

 

「10代のころから、映像業界の裏側を間近で見ていました。ひとつの作品を作る大変さとか苦労とか、身をもって感じてきてるんですよね。絶対におもしろいって確信できる企画でも、ぜんぜん通らなかったりする。当時は僕も、その理由がわからなくて、若林のような気持ちを抱えたこともあったし。だから、あの頃感じたことを振り返りながら“作り物”じゃない思いを、しっかり出すことができたんじゃないかなと思います。ただ、今振り返ると、当時は何がダメだったのか、なんとなくわかったりもするんです。時代の風潮だったり、タイミングだったり、いろんなものがハマらないといけないんですよね」

 

ふだんはなかなか見られない映像業界の裏側を描くストーリー。きっと多くの人が興味をそそられるだろう。さらに満島は、映像業界に限らず、働く人であれば誰でも、共感し胸を揺さぶられるはずだと話す。

 

「見てる人が『へえ、映像業界ってこんな感じなんだ』というだけで終わったら絶対に嫌だなって。だから、これは映像業界だけの話じゃないぞって、僕自身が常に意識して演じていましたね。とくに僕と同じ30代に差し掛かった世代の方は特に、会社のなかでも自分の立場がつかみづらい環境にいると思うんです。5年前にはまだ新人っぽくいられたのにとか、あと5年経てばもっといろいろ任せてもらえるのにとかね。そういう微妙な気持ちを抱えてる人たちには、ぜひ原点回帰をしてもらいたい。このドラマをきっかけに、なんで自分がそれをやりたいと思ったのか、本当に好きなことは何なのか、もう一度問い直してもらえたらうれしいです」

 

彼が演じた若林は、中谷演じるハルの何気ないひと言で、情熱が再燃する瞬間があるというが、満島自身にもそんな経験はあったのだろうか。

 

「若松孝二監督や大林宣彦監督、そして蜷川幸雄さん。人生の大先輩たちの言葉には救われることばかりでした。みなさんそろって『お前はお前のままでいてくれ』って言うんですよ。『それが魅力的で美しいんだから』って。もちろん、言われたときにすぐ理解できるわけじゃなかったんですけど、周りに流されそうになったり、崩れ落ちそうになったりしたときに、その言葉が支えになってくれました」

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