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ファストフード店は子連れでも気負わずに入ることのできるありがたい外食スポットだが、誰でも歓迎されているわけではないらしい。

 

人気ファストフードチェーン「Arby’s(アービーズ)」の米ミネソタ州エルク・リバーにある店舗で、1枚の注意書きが掲出された。

 

「食べ物をトレイからこぼさず、椅子に座っていられるお行儀の良いお子さんのみ歓迎します。できない場合は退店をお願いすることになります」

 

2人の息子と娘を連れてアービーズにやって来たクリスティン・ヘムズワースさんは、この張り紙を目にして困惑した。

 

地元テレビ局KARE-TVの取材に、「ショックでした。あそこはファストフード店で、白いテーブルクロスを掛けているようなレストランではありません。私の知る限り、家族向けの店だと思っていたのですが」とヘムズワースさんは語る。

 

お腹をすかせた子どもたちを連れて別の店へ行くこともできず、ヘムズワースさんと3人の子どもたちはアービーズで食事を摂ることに。

 

「2歳の息子はいつもトレイにフライドポテトを置いているわけでも、座っていられるわけでもありません。時々立ち上がってしまいます。お店の方たちは食べこぼしを片付けたくないからなのでしょうか。私はいつも子どもたちの食べこぼしはきれいにしてから席を立ちます。でも、とても居心地が悪くてストレスを感じる食事になりました」

 

ヘムズワースさんがアービーズを利用するのはこれが初めてではなかったが、このような張り紙を見たことはなかったという。

 

KARE-TVがアービーズの本部にコメントを求めると、以下のような声明が寄せられた。

 

「張り紙の言葉が無神経であったと認識しています。早急に撤去し、マネージャーとチームに規律教育を徹底しました。全ての店舗で家族に優しい環境を提供するよう努めており、今回の張り紙は企業としての価値観を反映したものではありません」

 

この店舗では、素行不良の10代の少年たちが店内で騒ぐことがたびたびあり、店舗の要請で警官が出動することが今年5月以降4回もあったという。いずれも逮捕までには至らないものの、騒がしく不快だったと地元住民は語る。張り紙は、そんな少年たちに向けた皮肉を込めた警告だったのではないかと見る向きもある。

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