首里城再建を願い、首里城を前に20歳の誓いを新たにする上地日向さん=7日、那覇市首里の首里城公園内 画像を見る

 

【浦添・那覇】首里城の再建を見据え、20歳の誓いを新たにする大学生がいる。県立首里高校の卒業生で中京大学スポーツ科学部(愛知県名古屋市)に在籍する上地日向(ひなた)さん(20)=浦添市出身=だ。首里城火災の翌日からクラウドファンディングで再建のための募金を集め、12月に那覇市に寄付した。成人の日を前に沖縄に帰省した上地さんは1月7日、高校卒業以来約2年ぶりに首里城の施設内に足を踏み入れた。首里城を前に新成人として、「自分に自信を持って生きていく」と決意した。

 

火災があった日の朝、スマートフォンから飛び込んできた「世界遺産 首里城」の文字。まさか、という思いで何度も見返したという。沖縄を離れてから「沖縄のために何か役に立つことがしたい」との思いを募らせてきた。「今だ」と心が動いた。

 

同学部の牧野将大(しょうだい)さん(20)と連絡を取った。沖縄育ちで県立向陽高校出身の牧野さんとは、日ごろから同じ思いを語り合っていた。2人は火災翌日の11月1日にインターネットアプリを使ってクラウドファンディングを立ち上げた。71人が賛同し、那覇市が開設している支援金口座に13万円を振り込み、1日も早い再建を願った。

 

首里城公園近くの首里高校に通った上地さんにとって、首里城は卒業アルバムの写真撮影もした思い出の場所。早く自分の目で確かめたかった。一方で火災の影響で首里城のみならず沖縄を訪れる観光客の減少を懸念している。

 

将来の夢は、スポーツで沖縄を盛り上げること。憧れの人は、劉衛流空手の師匠の豊見城あずささん。「豊見城さんのように、立っているだけでオーラを感じるかっこいい人になりたい」とはにかむ。

 

20歳の誓い、首里城の階段を踏みしめ、前を見つめた。
(中川廣江通信員)

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