「虎は子を思うて千里を帰る」と言うが、人間も子どものためなら存外の力を出すことができるようだ。
米ニューハンプシャー州に住むイアン・オライリーさんは現地時間20日、3人の子どもを連れて雪道を散歩していた。そこに一匹のコヨーテが現れ、子どもに狙いを定めて襲いかかってきたという。
オライリーさんは、2歳の末っ子に噛み付いたコヨーテを蹴り飛ばし、雪の上に組み伏せた。腕と胸を噛まれたが、無我夢中でコヨーテの喉と口を押さえ、全体重をかけて地面に押し付けたという。気づくと、コヨーテは窒息し絶命していた。
「子どもたちを守るため、他に選択肢はありませんでした。攻撃する側に回る覚悟を決め、コヨーテの上に飛び乗って押さえつけたんです。鼻先を押さえることができたのでそれ以上噛まれずに済みました。動物を傷つけたことはこれまでなかったので、奇妙な経験でしたね」と、オライリーさんはBoston25 Newsの取材に応えて語る。
ニューハンプシャーの魚類野生生物局によると、このコヨーテは狂犬病にかかっていたという。ここ数日、同地域でコヨーテが以上な動きをしているとの目撃情報が相次いでおり、狂犬病を発症している動物は他にもいると見られている。唾液から人間にも感染するため、オライリーさんはワクチンを接種。噛まれた子どもは、厚いジャケットを着ていたおかげで無傷で済んだ。