神戸大学・岩田健太郎教授が2月18日、コロナウイルスの感染者が続出しているダイヤモンド・プリンセス号内の様子を動画で語った。ネットで波紋を呼んでいる。
YouTubeにアップした動画で岩田教授は船内の様子を明かした。本来分けるべきはずの、ウイルスの全くないゾーンと“いるかもしれない”ゾーンがわからなくなっているとコメント。「そもそも常駐してるプロの感染対策の専門家が一人もいない」と明かし、進言しても厚労省の官僚たちが聞く耳を持たないという。また岩田教授は「岩田に対してすごいムカついた人がいる」との理由で「お前はもう船から出ていくしかないんだ」と告げられたとも明かしている。
岩田教授は「日本はダイヤモンド・プリンセスの中で起きていることは全然情報を出していない」「データを全然取ってない」とも指摘。「やはりこれ、日本の失敗な訳ですけど、それを隠すともっと失敗なわけです」「この大きな問題意識を皆さんと共有したくてこの動画を上げさせていただきました」と結んだ。
SARS下の中国などと比較し、船内対策について「ひどいものでした」と表現した岩田教授。その行動にネットでは《貴重な情報をありがとうございます》《行動力と決断力、尊敬します》との声が。また厚労省、ひいては政府に厳しい声がこう上がっている。
《指摘を受け入れないとか現政府の駄目なところが最悪なかたちで影響していて、結局何も対策できていないということが怖い》
《厚生労働省も防衛相も専門家も、当然に政府も、メンツにこだわらずに対応すべき。すぐに会議を開き、どのような命令系統でやるのかを整理精査すべき》
18日、岩田教授はTwitterで「船内に感染対策のプロがいないのは本当ですか?」という質問に《ちょっと短期的にいますが意思決定ができない。厚労省の言うことを聞くイエスマンだけが中にいることを許されます》とツイートしている。そのいっぽうで加藤勝信厚労相(64)は19日、衆院予算委員会で「感染症防御チームの専門家の医師が船内を見て、指摘があればその日のうちに対応している」と述べている。