「皇居内では手荷物検査や土産物店のテント設営も始まっていましたが、一般参賀の中止が発表されると一斉にストップして、テントは次々と撤去されていきました」
そう語るのは宮内庁関係者。陛下が即位されて初となる天皇誕生日。2月23日に予定されていた一般参賀の中止が発表されたのは、開催まで1週間をきった2月17日のことだった。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ必要があると宮内庁は判断したという。
「毎年、天皇誕生日の一般参賀には5万人近い人が集まります。おそらく西村泰彦宮内庁長官は、新型コロナウイルス災禍の現状を説明して、両陛下のご意向をうかがったうえで中止を判断したはずです」(皇室担当記者)
そんな中で2月20日には、寬仁親王妃信子さまのお出ましがキャンセルに。石川県の金沢青年会議所が、新型コロナウイルス感染症に関する状況を鑑み、21日からの「JCI金沢会議2020」へのご臨席要請を取り下げたと報道関係者に発表したのだ。
感染拡大の状況によっては、今後も次々と皇室の関わる行事が中止や延期になる可能性が高い。
「英王室の招待を受けて、両陛下が4~6月の間にイギリスを公式訪問すると発表されています。イギリスは雅子さまがご結婚の直前に留学されていた国でもあります。しかし、皇室に入られてから、訪英は一度も実現していません。そのため雅子さまは30年ぶりにイギリスを訪れることを心待ちにされているそうです」(前出・宮内庁関係者)
はたして“悲願のご訪英”も断念されることになってしまうのか? イギリス王室に詳しいジャーナリストの多賀幹子さんに聞いた。
「日本で新型肺炎の感染が進んでいくのか、それとも終息へ向かうのか、イギリスも注目しています。日本料理店が『コロナ消え失せろ』と落書きされたフランスと同様に、今後、イギリス国民が疑心暗鬼になって不安が爆発してしまうことが懸念されます。天皇皇后両陛下が海外ご訪問のデビュー先としてイギリス王室を選ばれたのですから、直前で中止などということになれば、それはとても残念なことですが……」
前出の宮内庁関係者も、両陛下のご訪英が実現するかどうかは、イギリス国内の世論次第だと語る。
「日本でのウイルス感染がさらに拡大していくと、両陛下の訪問といえども、感染国からの入国に反発する世論が英国民にも湧き上がる可能性があります。英王室は世論には敏感です。また、両陛下も反対の声が高まる中でのご訪問は、ご意向に沿わないでしょう。まず英国側から水面下で日本側に辞退の働きかけがあり、最終的に日本政府が中止もしくは延期の声明を出すという流れは十分にありえます」
「女性自身」2020年3月10日号 掲載