加藤勝信厚生労働大臣(64)は3月1日に、新型コロナウイルスについて感染者が他者に感染させる経路の特徴を示した。
加藤大臣は、「国内で感染した人の8割は他人に感染させていません」と報告。いっぽうで、具体的な感染場所として「スポーツジム、屋形船、ビュッフェスタイルの会食、雀荘、スキーのゲストハウス、密閉された仮設テントなど」が示された。
その上で「換気が悪く」「人が密に集まって過ごすような空間」「不特定多数の人が接触するおそれが高い」場所を避けるよう、国民に注意喚起をしている。
しかし、これらの条件に該当しうる公共交通機関について触れられていないことに疑問の声が上がっている。
《都市部における満員電車は?》
《「換気悪い密集空間を避けて」通勤電車のことですね》
《電車がないのはたしかに不自然ではある。公共交通機関を止めないという意思を感じる》
2月24日には、JR横浜線相模原駅の職員も感染したことが判明。さらに26日に、同社員と接触のあった同僚男性も感染したと発表された。産経新聞によると、同僚男性は接客業にはあたっていないが、複数の駅で勤務整理などの管理業務を担当。25日に微熱を発症していたが、電車を利用して出勤したという。
赤羽一嘉国土交通大臣(61)は25日に、公共交通機関の混雑を緩和する対策としてテレワークや時差出勤を呼びかけた。また鉄道事業者を通じて、駅構内や車内でも時差出勤のアナウンスを開始した。
いっぽうで赤羽大臣は、公共交通機関の利用制限について「国民生活や経済活動に大きな影響を与えることから慎重に判断する必要がある」と述べるに留まった。
「多くの企業や各勤務先は、ラッシュ時間帯の1?2時間前後で時差出勤を導入しました。ですが、変更した時間帯が被っている勤務先も多数です。そのため都心部など混雑する地域の利用者からは、『緩和されていない』という声も上がっています」(全国紙記者)
政府から今後、公共交通機関について具体的な方策は示されるのだろうか。