県議会文教厚生委員会の参考人招致で多様な人々が学べる高校の実現を訴えた仲村伊織さん(右端)=2018年4月 画像を見る

 

2020年度沖縄県立高校一般入試の合格者が11日発表され、知的障がいのある仲村伊織さん(17)=北中城村=は不合格となった。一般入試で不合格となるのは3年連続。仲村さんが受験した高校の学科は81人の空き定員があり、定員内不合格だった。ほかの学科を含めた同校全体では111人の空き定員があり、仲村さんを含め2人が不合格だった。同校の校長は「実施要項に従って総合的に判断した。詳しくは2次試験が終わってから説明する」と述べた。

 

仲村さんの両親によると、受験前に学校側と合理的配慮の在り方を調整し、ほぼ要望が認められていた。仲村さんは学科試験中に動き回ることがほとんどなく、着席して受験できた。面接はタブレット端末を用いて回答した。

 

面接官の「志望動機は」という質問に同校の写真を見せ、「中学校の頃は何をしていたのか」という質問には中学校での様子が分かる写真を見せていたという。

 

仲村さんの両親は同日、県自立生活センターイルカのメンバーらを含め約10人で学校を訪問し、不合格となった理由を説明するよう求めた。校長や教頭は「本校で教育課程をこなすには至らないとなった」と述べる一方、具体的な点数や合否の判断基準については2次試験終了後に明かすと説明した。

 

県立高校入試、定員内不合格は181人 最も多い学校で17人

 

11日に合格発表があった2020年度県立高校一般入試で、各校の最終志願状況と合格者数から琉球新報が定員内不合格者数を算出したところ、県立高校全体で181人だった。最も多かった学校は17人だった。

 

県教育庁県立学校教育課は、高校入試で定員内不合格者が出ないように合否判定基準の見直しを求める通知を2月14日付で県立高校の校長宛てに出している。

 

文書では「空き定員があるにもかかわらず不合格者を出すなど、いまだ改善されない学校もみられる」と指摘。入学意思のある生徒が学ぶ機会を提供することの重要性を再認識するよう促し、定員確保の努力を求めていた。

 

同課の担当者によると、最終的な定員内不合格者の人数は2次募集の合格発表後に集計するという。

 

※記事の一部に配慮に欠く表現がありました。その部分を削除します。

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