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健康保険料に地域格差が広がっている。中小企業の社員らが加入する「協会けんぽ」は’09年度に、全国一律10%の保険料率から、都道府県別に切り替えた。そのことが健康保険料の地域格差を生んだという。私たちにできることは何なのか? 経済ジャーナリストの荻原博子さんが解説してくれたーー。

 

■使える制度は使い、民間保険のムダを見直す

 

全国平均は今も10%ですが、都道府県別を見ると、もっとも料率が高い佐賀県は10.73%で、もっとも低い新潟県は9.58%です(’20年度)。

 

たとえば同じ月収30万円でも、住む地域によって、年間保険料に約2万円の差が出るのです。

 

だからといって、引っ越しなどできないですよね。私たちにできることを考えてみましょう。

 

【1】自分が払っている保険料を確認

 

会社員の方なら給与明細の控除欄に、公的保険料の月額が記載されています。それを12倍して、年間保険料を確認してください。

 

また、3月と4月の保険料を比べると、’20年度にどれくらい上がったかもわかるでしょう。自分かいくら保険料を払っているのか、負担を実感しましょう。

 

【2】使える制度はすべて使いつくす

 

保険料をこんなに払っているのですから、使える制度はすべて使いつくさないともったいない!

 

たとえば、介護が必要になったら、家族だけでがんばらずに介護保険を使いましょう。介護サービスの費用が高額になったら、所得に応じた自己負担額以上は返金してくれる「高額介護サービス費制度」も利用できます。

 

【3】民間の保険のムダを見直す

 

介護だけでなく、医療費には「高額療養費制度」が、さらに介護と医療を合算して高額なら「高額介護合算療養費制度」もあります。

 

まずは公的支援制度を使い、それでも不足なところを補うのが民間の保険です。重複やムダをなくすよう徹底的に見直してください。

 

新型コロナウイルスの猛威は、経済にも深刻な影響を与えそうです。家計を守るため、今からムダの洗い出しを始めましょう。

 

「女性自身」2020年3月24・31日合併号 掲載

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